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オメガのこと、きらい? ページ13

ym side

「あー…今日、休めばよかった、」

なんとなく身体が怠いまま学校に行ったものの、授業中もずっと体調が優れなくて 知念と裕翔にしっかり怒られた。悪化したらどうすんの!って。その通りでぐうの音も出なかった俺が半ば強制的に保健室に向かっていた時、向かいの階段に見えた人影。

授業時間は始まってるし、先生でもなさそうだし、もしかして俺と同じ保健室組?とか思ってたら 、なんと伊野尾ちゃんだった。え、もしかしてサボり?んな訳ないよね。


『あれ、山田?』

「伊野尾ちゃん、授業始まってるんじゃ」

『んー、ただの遅刻。山田は?何処行こうとしてんの?』

ただの遅刻って。もうちょい急ぎなさいよ。あなた今年受験生でしょうが。なんてツッコミそうになるのを抑える。



「ああ、ちょっと保健室に、」
『… 体調悪いの?』

「んーん、全然大したことないから」

『それなら俺も一緒に行こっかな〜、眠いし』
「…寝る気満々じゃん」




.




『なんてね、うそうそ、心配だから』

そう言って俺の肩を抱いて保健室へと歩き出す彼に連れられるがまま。心配してくれんの、優しいなって思うけど、頭を撫でてきたり、肩を抱いてきたり、元々距離感が近めなタイプなのかな。それが不思議と全然嫌じゃない。







2人で歩みを進めるうちに目的の保健室に着き、1番奥のベッドに並んで腰を掛ける。



『ねえ、山田。』
「ん?」

『この前、俺が聞こうとしたことなんだけど、』

横に座る伊野尾ちゃんが口を開いたかと思えば まさかのその話題で、彼の方から振ってくるとは思ってなかったから 内心びっくりした。

『山田はさ、その…』
「ん、なに?」

その横顔にはあの時と同様、見てる俺が心苦しくなるような重く切なげな雰囲気が漂っていて。無理に言わないでいいよ、と伝えようとした。

「伊野尾ちゃん、無理に『山田は、』… 」




.




『オメガのこと、きらい?』




.





思いがけない質問に言葉が出ない。

『… ごめんね、急にこんなこと聞いて』

気まずそうに顔を俯かせる彼を見つめながら、俺の頭にはオメガとの苦い記憶が過ぎる。





「俺は、オメガは … あんまいい思い出が無くて」

『ん、そうなの、?』



.




気付いたら俺は伊野尾ちゃんに喋っていた。
口が勝手に動くみたいに 、オメガとの過去の話を。

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設定タグ:伊野尾慧 , 山田涼介 , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2023年3月1日 20時

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