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中原君が渋々といった様子でこの場を離れた後、少し腫れている治君の頬に慎重に湿布を貼った。
切り傷にも手当をし終わえてよし、と手を離すと射干玉色の髪に私の手がサラりと当たりウグッとうめき声がでる。
癖っ毛気味の治君の髪は何故こんなサラサラとしてるのか…治君だからかな?好き。
『通信保管室まで案内するね。必要ないと思うけど一応監視役として!』
あくまで、監視役としてである。
決して、治君と二人きりに憧れてるとかそういう私情はない。
無いったら無いのである。
「えー私自分で調べなきゃ駄目なの?」
コテン、と首を傾げ苦言を呈す治君に言葉が詰まる。
可愛い…しゅき…と、思考が緩くなりそうなのを首を振って抑えた。
『い、いや…私もね。一応ポートマフィアとしての体制とか…色々あってね…!』
「駄目かい?」
グイッ、と距離を詰められる。
『あっいや、駄目って云うか…』
「早く情報が分かれば空いた時間を他の時間に回せるのになー」
…他の時間…?他の時間って、ま…真逆?
嫌々、そんな都合の良い話が…??
クイッと顎を上げられ顔と顔がスレスレな距離まで詰められる。
あ…推しの顔がこんなに近い…私これから死ぬの?
スっと耳元まで口が寄せられ、艶のある声が近距離で聞こえた。
「例えば、
…一緒に街を
逢引…逢引?
誰と?
私と?
治君が?
エッ、待って…供給過多で頭が破裂しそうです。
『執務室に…書類を取りに行ってきます…!』
え?ポートマフィアとしての体制??
知りませんね、そんなこと。
「うん、善い子善い子〜」
アァーーー!私!歳上なのに!!
もぉー!確信犯め!!!好き!!!
◇◆◇
「
執務室に設けられたソファに身を沈め、書類を片手に持つ推しの何と麗しい事か。
スラリと組まれた御御足に顔を埋めたいものだが流石に引かれるのは目に見えているので止めた。
『因みに、現在組合はヨコハマに向かっている最中らしいよ。
十中八九武装探偵社に来ると思うから気を付けてね』
折角包帯が外れて見目麗しいお顔が全面に見れるようになったのだ。
また怪我をして痛々しい包帯姿は心臓がもたない。
まあ、包帯の奥に秘めたる魅力…ってのもグッとクルものがあるんだけれど。
矢張り推しが痛がる姿は見たくないものである。
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ユウリ(プロフ) - ねころさん» 個人的に私もそこ大好きなので(自画自賛)同じ人が居て嬉しいです〜(^^)祝日の間にあと一、二話更新出来たらなぁと思います (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 指摘ありがとうございます!深夜テンションで書いていたので全く読み返した時と分かりませんでした……ストーキング夢主をこれからもどうぞよろしくお願いします(( (2019年9月16日 7時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
神皇音雅樂(プロフ) - 夢主の太宰への一途さが可愛すぎます。これからも更新頑張ってください。あと、32話の"人の話"が"人な話"に、"首領の話"が"首領の話し"になっています。訂正お願いします。 (2019年9月16日 7時) (レス) id: d0313e3af1 (このIDを非表示/違反報告)
ねころ(プロフ) - 潔い…しゅき…のところが好きすぎて見返しては頬が緩むのを感じます。更新楽しみにさせて頂いております。 (2019年9月16日 0時) (レス) id: ef39eb690c (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ(プロフ) - コメントありがとうございます!応援して頂けると本当に励みになりますm(_ _)m (2019年9月10日 18時) (レス) id: 7b452ad7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウリ | 作成日時:2019年8月12日 13時