32品目:おひさしぶり ページ35
柘榴side
『♪〜♪〜♪〜』
自分でもわかるくらい機嫌よく鼻歌を歌う
じつはようやくあの大量の秋の味覚たちの完全消費の目処が立ったんだ。これでもう色々新しいメニューを考えずに済む...ったくえらい目にあった
物には限度というものがあると改めて理解するはめになるとは...
カツーーン...
『あ...!』
首から下げたチェーンが切れ、洗いものをしていたシンクの中に落ちたリングを慌てて拾い上げる
経年劣化ってやつか...もう七年も首にかかってるからな...
ーーー『ほら、これあげるから。これがあれば...なにがあっても、俺たちはまた会える』ーーー
.....会いたいよ、たった一人の俺の弟
カランカラン...
『?いらっしゃいませ』
ランチタイムギリギリの時間には誰も来ないのに...新規の客か?
弓「こんにちは、先日はどうもお世話になりました」
『?...あぁ、きみはたしかfineの』
弓「覚えていてくださり光栄でございます」
やれやれ...口調は変わってないけど色々変わったなこの子は。ずいぶんと腑抜けた顔をしちゃって...まぁそれは俺にも言えるか
ーーーーー
『お待たせしました。アールグレイです』
にしてもなにしに来たんだ...?たしかこの子は姫宮の家に仕えている執事のはず。ここは夢ノ咲の区域に本当にギリギリ入るくらいの場所にある店だ
姫宮の家がどこにあるかはわからないが、夢ノ咲学院からここは少し距離がある...なにが目的だ?
弓「...こうして話すのは、七年ぶりでございますね」
『!...覚えてたのか。ならなぜあのとき言わなかった』
弓「少々、思い出すのに手間取ったのでございますよ。なにせあなたは...「七年前にすでに亡くなった」と、あのときは思ったのですから」
その言葉を受け、結わえていた髪をほどいて「伊達メガネ」を外す。弓弦はその姿に、懐かしそうに目を細めた
弓「改めて、おひさしぶりでございます。柘榴さん」
『...あぁ、ひさしぶり。弓弦』
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カトレヤ(プロフ) - ハニーさん» すみません、勉強不足でわかりません... (2018年9月24日 21時) (レス) id: e677d34591 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 海沿いの喫茶店と聞いたら真ッ先に珊瑚礁が出てきます(分かる人にはわかる) (2018年9月24日 21時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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