海沿いの喫茶店

２８品目:秋の味覚と王さま ページ31

柘榴side

『...これ、どうすっかな』

季節は秋。秋といえば芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋...こんなものの季節だ

飲食店経営者としてはここで食欲の秋を推させてもらおう。秋はおいしいものがたくさんだからな、作る料理の幅が増えるのは嬉しい

...だけど

『今年は酷暑だったってのにずいぶん豊作だったんだなぁ...うわ立派なサツマイモ』

いつもの仕入れ先で、「いっぱい取れたからこれも持っていって」を繰り返した結果。かなりの量の秋の味覚が揃った

サツマイモ、栗、キノコ、かぼちゃ、フルーツはリンゴ、梨、葡萄、柿、無花果なんて変わり種もある

秋刀魚や太刀魚なんかの魚もわりと安めに仕入れることができた...それは嬉しい。存分に腕を振るえるからな

問題は消費の仕方だ。なにせ調理台を埋め尽くす程の量があるのだ...「店内で料理として振る舞えばいい」とか言うだろうがそれで済んだらいま悩んでない

自分で食うのはもったいないくらいいいものだから、できれば客に食べてもらいたいんだよなぁ

カランカランッ！

この乱暴なドアの開け方は...！

レ「うっちゅ〜☆ザック！！」

『またですか作曲家さん！ドア壊したら修理費請求しますからね！？』

レ「うん！そのくらい払うぞ！」

...そういや作曲家って印税もらえるんだったな。しかも彼けっこう有名らしいし、ドアの修理費くらいは余裕で出すか

司「Leader！一人で先に行かないでください！」

嵐「まあまあ司ちゃん、王さまのこれはいつものことじゃない」

泉「ったく戻ってきたってのになんにも変わってないし...ほんとちょ〜うざぁい」

凛「ふぁ...ふ、まぁいいんじゃない？」

...なんか濃い面子が来たな。まぁそれでもいつものやるか






『いらっしゃいませ、ようこそ、喫茶ソルムへ。お好きなお席へどうぞ』

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