9品目:鮮やかなフルーツゼリー ページ11
柘榴side
『お待たせしました。ご注文の品です』
トレイを使って注文されたものを並べる。結局、あの黄色の髪の子は俺の勧めたフルーツゼリーにしていた
宙「わぁ〜!すっごくキレイです!」
夏「よかったネ、ソラ」
ちなみにうちのフルーツゼリーはいわゆるバケツをひっくり返した形の透明なゼリーに何種類も果物を入れたタイプだ
店長曰く「最近はやたら洒落たものが流行ってるが料理なんてものは最終的には味」...らしい。俺もその言葉には賛成だけどな
宙「HiHi〜♪お兄さんありがとうございます!」
『よろこんで頂けてなによりです。それでは、ごゆっくり』
頭を下げてカウンターに厨房に戻り、あんずのシロップが入った大瓶の蓋をきっちり閉め直して冷蔵庫の一番下にしまう
後はこれを数日置いとけばシロップの完成だ。果物のシロップ漬けはなにかにつけて使えるし、果物そのものを食べてもおいしいからな
先人の知恵に感謝だ感謝
ーーーーー
それからなんだかんだと作業をしている内に時間は過ぎ、ふと店内に戻ればさっきの席には赤髪の男子生徒しかいなかった
いつの間に帰ったのか...?ならなんであの子だけ残ってるんだ?
夏「あァ、やっと出てきてくれたネ。もう少しで注文にかこつけテ呼び出しそうだったヨ」
『すみません、早めにやっておかないといけない仕事がありまして。それで、どうしてあなただけ残っていたんです?』
そう聞けば赤髪に白いメッシュが入ったアシンメトリーの生徒は立ち上がってまっすぐに俺を見てきた
夏「ソラのことを気遣ってくれたお礼をしようと思ってネ。少しだけあなたのことを占ってみたんだヨ」
夏「あなたのほしいものは、来年の三月までに必ず手に入る。そのままの姿勢を崩さないことが大切だよ」
『!?』
妙に歪んだ言葉が急に元の言葉に戻ったことで、発せられた言葉は耳の奥にまで入り込んだような気がした
夏「フフフ、お代はここに置いておくネ?」
『!あっはい』
しまった一瞬固まってた...来年の三月まで、ね。一応覚えておこう
その前に、いつもの挨拶で締めますか
『ご来店ありがとうございました』
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カトレヤ(プロフ) - ハニーさん» すみません、勉強不足でわかりません... (2018年9月24日 21時) (レス) id: e677d34591 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 海沿いの喫茶店と聞いたら真ッ先に珊瑚礁が出てきます(分かる人にはわかる) (2018年9月24日 21時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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