海沿いの喫茶店２

４６品目:上品なキーマン ページ13

柘榴side

『お待たせしました。ブッシュ・ド・ノエルとキーマンティーです』

普通のロールケーキの大きさに切ったブッシュ・ド・ノエルと紅茶の入ったティーカップをテーブルに並べれば感嘆の声が上がった

英「へぇ...かわいいものが乗っているね」

『ブッシュ・ド・ノエルはクリスマスケーキの一種ですから。その部分の手を、抜いてはいけないと思いまして...それでは、ごゆっくり』

頭を下げて厨房に戻り、追加でショートケーキを作りはじめる...やっぱりクリスマスケーキといえばショートケーキだからな

フルーツタルトとブッシュ・ド・ノエルもショートケーキほどじゃないがそれなりに売れている。ケーキ屋ほどじゃないが、やっぱり書き入れどきだからな。売らないと

『あ、しまったサンタがない...ってトナカイもない』

けっこう多めに仕入れたんだけどな...やっぱショートケーキとブッシュ・ド・ノエル、両方に乗せてたら減るよなそりゃ

はぁ...後で追加分買いに行くかぁ。まだあるといいんだけどな、あの砂糖菓子。なかったらマジパンで作るけども

英「店長さん。少しいいかな？」

『はいただいま』

おかわりの要求かと思って店内に戻れば空になった皿とカップが目に入った。ずいぶんと健啖家なんだな...言葉あってるかこれ？

英「いまクリスマスケーキを買うことはできるのかな？」

『へ？できますけど...クリスマスまでまだありますよ？』

英「クリスマス当日は夢ノ咲の一大イベントがあってね。その前に少しでもクリスマス気分を味わっておきたくて」

なるほどそういうことか。たしかに毎年、クリスマス当日は夢ノ咲方面が騒がしいしな

『かしこまりました。ショートケーキ、フルーツタルト、ブッシュ・ド・ノエルの三種類ですがどれになさいますか？』

英「そうだね...やっぱりショートケーキかな」

『承りました。お皿、下げさせていただきます』

空いた食器を片づけ、最後の作業をする。

イチゴを飾り、筆記体でお決まりの文字が書かれたチョコプレートを飾り、ビスケットで作った小さな家と砂糖菓子のサンタとトナカイを飾る

完成したそれを箱に詰め、保冷剤も二、三個放り込んでビニール袋に入れて店内に戻ればfineのリーダーの青年はレジ前に立っていた

『お待たせしました。一応保冷剤を入れていますので、一時間以内にお召し上がりください』

英「ありがとう。そうするよ」

ケーキ代も含めた代金をカード払うところに「金持ちだな」と思いながらも対応する

さて、いつもの挨拶で締めますか








『ご来店ありがとうございました』

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