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. キヨside .
「おじゃましま〜す…」
「どうぞ。あ、スリッパこれ使ってください」
一度は断ろうとしたものの、彼女の誘いをきっぱり断れるほどいい男でも聖人でもなかった俺は、彼女の部屋のカウンターに腰掛けていた。
「おつまみ…と、これ頂いたビール、全然飲んでなかったから、よかったら」
「うお、美味しそう」
彼女はエプロンを纏い、炒め物を作ってくれるらしい。やばい。こんな光景、俺の心臓いけるのか？まだ止まるなよ。
邪念を取り払おうと、一気にビールを流し込み、つまみに手をつけた瞬間、車があったことを思い出した。
「うわ、やっべ…！！飲んじまった…！ごめんAさん…いや、代行呼べばいいか…焦った〜！」
時計を見るとまだ21時すら回っていない。ご飯を頂いてからすぐに代行を呼べば間に合うだろう。俺の理性が消え去る前に。
「…別に、泊まってもいいのに」
野菜たちが香ばしく火にかけられる騒音の中、彼女は俺に聞こえないと思ったのかそうぽつりと呟いた。
部屋は暑くないのに、全身から汗が湧き出す。
精巧な夢だったりするのか？俺が生み出した仮想現実？ゲーム？いや、なにこれ？
彼女の言動ひとつひとつに心が掻き乱される。心臓の音がこれでもかというほど主張している。
「ご飯、炊いてなくて冷凍してたのしかなくて」
「あ、はい。なんでも、大丈夫です！」
「ふふ、なんですかそれ」
頭が沸騰しそう。落ち着け、と言わんばかりに身体はアルコールを欲している。
少し経って、野菜の炒め物と漬物、ご飯と卵スープが出てきた。彼女は俺の隣に座って、ご飯を食べ進めている。
「あ、そういえばキヨくんきゅうり嫌いでしたっけ？」
「え？あ、そういえばそうだわ…」
無心で食べていたからそんなことすら気づかなかった。味すらわからなくなっている。
たまに彼女の膝が俺の腕に触れて、その度に心臓がぎゅっと鳴る。
早く食べて帰ろう。心臓に悪い。そう考えながらなんとか会話を紡いでいると、玄関から突然音が聞こえた。
「あれ、Aちゃん？外にあった車って…あ、やっぱりキヨくんだったんだ」
開いていた扉から顔を出したレトさんは、穏やかな顔をしていて、でも目が笑っていないことだけははっきりわかる。
この状況、かなり不味い…よな？
俺、死ぬのか？
.
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れ - 更新待ってます> < (12月10日 0時) (
レス) @page12 id: 4dd8741af5 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - ストーリー最高です…続き見たいです… (2023年1月18日 4時) (レス) id: d4b54274d8 (このIDを非表示/違反報告)
しょ - いつも更新楽しみにしてます！続きが気になる〜〜 (2021年11月15日 21時) (レス) @page8 id: 28681cdda9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - ヤンデレトさん…続き見たい…… (2021年11月8日 1時) (レス) @page7 id: 2c794b2e82 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇりぺ2せい - 更新待ってました、、！！いっつもドキドキしながら見てます♡胸きゅんをありがとうございます (2021年9月26日 23時) (レス) @page6 id: b8164da90d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴより | 作成日時：2021年9月8日 16時
