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彼女が目を閉じてから、色々なことがわかるようになってきた。
まず、彼女が身を置いている呪術界御三家の分家の話。
ノックひとつもせずに入ってきたそこの当主は、私に目もくれず彼女の方へ歩み、彼女の頬を両手で強く掴むように包む。
｢一刻でも早く目を開けろ。お前はまだ役目を終えていない。｣
その顔は、彼女から聞いていたような親切な男とは到底思えなかった。
睫毛が長く伸び、身なりも整っている。見る限りでは20代後半といったところの若い男だったが、そこには既に溢れる人間の狂気を感じた。
｢彼女に触れるな｣
私はこの男と彼女を近づけてはならないと確信した。
私は彼の肩を掴み、彼女から引き離す。
その時の男の顔は、悪魔と呼ぶに相応しい。
.
｢あー、あれは加茂家の分家。
親がアイツを高専に売って、それを見兼ねたあの家がアイツを引き取ったって聞いた。
あの家は技術があって一目置かれてたぜ、俺五条だから詳しくねーけど｣
悟にあの家の事を聞くと様々な情報が出てきた。
彼女の親が彼女を高専へ売ったことだ。
確かに、あの家とは血縁関係は無いとは知っていたが詳しく聞くこともなかった。
悟の話を聞いていた時には、目を皿のようにして驚いた。
｢え、何？お前知らなかったの？
まあ俺もアイツの口から聞いたわけじゃないけど｣
彼女は、自分のことを全く話さない。
私は、彼女のことを何も知らなかった。
無知とは、とても、恐ろしい。
.
硝子に、あの男のことを伝えた。
私が任務の時に、あの男が現れたら彼女に会わせるべきでは無いと知らせるためである。
｢……あの時の痣は、もしかして｣
硝子は額に指を当て、悩むような仕草をする。
硝子曰く、彼女があの家から寮へ帰ってくると必ず傷や痣を作ってきたと言う。
以前、私が彼女の顔に大きな痣を見たのがそれだ。
彼女は一方的な暴力を受けていた可能性がある。
｢あの子、本ッ当に馬鹿だね…｣
硝子がまた更に頭を抱え出す。
私が永遠に続く情報に顔を顰めながら次はなんだと口に出すと、硝子は大きなため息をついた。
「まだ気付かないのかよクズ。
お前の元恋人の命日、そしてあの子の誕生日。
いつも“何もしなくていい、家でパーティを開いてくれる”とか言ってただろ。
その男があの子の誕生日を祝うとでも思っているのか？
あの子、ずっと私達に嘘をついて、気を使ってたんだよ｣
空気が、私の乾いた笑いを溶かしていく。
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rix(プロフ) - 尊さん» お待たせ致しました！只今公開致しました〜！！犬小屋から出てきてくださ〜〜い！！！！お家に帰りますよー！！ (2021年3月27日 9時) (
レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
尊 - rixさん» なぬ、神様の作品なら絶対読みます！犬小屋で地団駄踏んで待ってます！ (2021年3月24日 17時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - 尊さん» コメントありがとうございます！わー！そう言っていただけると嬉しいです(;;)休日に新作出すと思うので是非そちらもお読みいただけると嬉しいです笑 (2021年3月24日 17時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
尊 - めちゃくちゃ感動しました！あなたは神作の神様だったですね、一生崇拝します (2021年3月24日 14時) (レス) id: b48a344f5f (このIDを非表示/違反報告)
rix(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます！よかったです！！笑自信結構なかったのでそう言っていただけると嬉しいです！！ (2021年3月22日 13時) (レス) id: c4228ae6c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rix @元荼毘
| 作成日時：2021年2月28日 14時
