人質【4】 (ページ38)

今日:2 hit、昨日:43 hit、合計:104,363 hit

Ep.１７９ページ38

.

「───大丈夫か二人共･･･！？」

もう、どうしていいかわからない。

ただただ、目の前の瓦礫を見つめることしか出来ない。

逢沢くんが来てくれたけれど

私もさくらももう限界だった。

「･･･先生を、止められなかった」

「いいんだよ。
･･･それが、先生の望みだから。
僕に協力を求めてきたとき、言ってたんだ。
“ 真相を明らかにするためには
俺が最終的に全国民の敵になる必要がある ”
ッて。
それは、茅野と緒方さんのためでもあるって･･･」

「･･･私達のため･･･？」

「僕は、その言葉を信じて先生に協力したんだ･･･」

苦しい。

心臓が握りつぶされたように痛い。

「･･･とにかく、教室に戻ろう」

『･･･ッでも』

「僕だってどうすればいいかなんてわからないよ。
先生が僕達のことを思ってやってくれたことを無駄になんてしたくないから、だから･･･ッ」

「･･･ッ、」

『さくらッ！？』

突然立ち上がったさくらが、

パタパタと駆け出していってしまった。

きっと教室に戻ったのだろう。

慌ててさくらの後をおいかけた。

「────皆に話があるの」

さくらの後を追って教室に駆け込むと、
思い詰めた表情のさくらが立っていた。

「いやいやいや、それより見ろよこれ！
先生屋上で戦ってんだぞ！？」

「･･････殺したの。
────･･･私が、澪奈を殺したの」

『────･･･さくら？』

───── パァン･･･ッ

《柊一颯が撃たれました！！！》

待って、まだなんだよ

まだ、終わってないんだよ

まだ、まだ･･･連れていかないでよ。

『──── やだよッ･･･、！！』

.