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Ep.169 ページ28

side Usami





「A、ぶっきーの様子どう・・・って寝てるし、」




あまりに音沙汰ないものだから心配になって覗けば、Aは死んだように倒れて寝てた。

・・・A、昨日は色々ありすぎて疲れてたもんね。

きっと朝方まで粘ったんだろうけど、眠気には勝てなかったみたい。
そういうとこがAらしいよね。




「・・・せめてもうちょっと楽な体勢にさ、」

「そうだね、」




このままだと寝違えるよ。

ゆっくりAを移動させて、ぶっきーの隣に寝かせた。




『・・・ん、』

「あ、起こしちゃった・・・?」

『ッは、寝てた・・・ッ』

「寝てたねぇ。
いいよ、もうちょっと休んでなよ。
ウチらも寝たし。どうせまだちょっとしか寝てないでしょ?」

『・・・ごめん、頼んだ。眠い・・・』

「ふふ、おやすみ」




ぶっきーの様子はちゃんと見とくから、というと、安心したようにまた眠った。

猫みたいにぶっきーに擦り寄って、今にもゴロゴロと喉を鳴らしそう。




「・・・これ、!」

「・・・ぶっきーが一気に悪者に・・・」




マイボイに、ぶっきーが作ったフェイク動画がアップされてた。
・・・アップしたのは放来制作会社の社長だとユーザーが特定していて。




俺達は柊にハメられたのか!?

ただの愉快犯www

最低最悪のクソ野郎じゃねぇか!




ぶっきーに対する、罵詈雑言で溢れてる。


昨日は、あの動画を流さないという選択をとったけれど、結局マイボイにアップされていて。

予想通り、全ての矛先がぶっきーに向いた。




「・・・誰が流したの」




───ブーッ ブーッ ブーッ




そのとき、突然携帯が鳴って。


私のでもなければさくらのでもない。

Aのは美術室で充電しっぱなしだったし・・・ということは、ぶっきーの携帯。

さくらが確認しようとすると、その手を掴む手が。




「ぶっきー・・・!?」

「先生・・・!」




うっすらと目を開けたぶっきーは、隣を見るや否や困ったように笑って。

電話を掛けてきた人物を確認すると、私とさくらに席を外すように言った。




「Aは・・・?」

「寝かせといていいよ、ありがとう」




くしゃり、Aの頭を撫でたぶっきーは、愛しいものを見る目をしていて。

私もさくらも、それ以上は何も言えなかった。




.

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シュガーボール(プロフ) - すごく面白かったです! (9月4日 15時) (レス) @page38 id: 31d6f46efb (このIDを非表示/違反報告)
スリッパ(プロフ) - 更新はされないでしょうか?もしされるのであれば楽しみにしてます!! (2023年1月9日 7時) (レス) @page38 id: f2ab2a7f7d (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年8月20日 20時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 最初から楽しく読ませていただきました!!更新待ってます! (2020年12月6日 23時) (レス) id: 76abfc2842 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっこ(プロフ) - 楽しみにしています (2020年9月4日 20時) (レス) id: 354b579e15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぃも | 作成日時:2019年3月12日 15時

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