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Ep.115 ページ21

side Ogata





「何その目・・・!
笑いたきゃ笑えば!?
偽りの力にしがみついてみっともないって・・・!!
・・・間違ってることくらいわかってる・・・。
でも私はこうやって生きてきたから!!
こうやって生きるしかなかったからッ!!!」




笑えるわけがない。




『・・・笑えない。笑えるわけないよ。
後戻りできないから、進むしかないんでしょ。
周りの期待に応えなきゃ、って思っちゃったんだよね。
あんな辛そうな顔で “ごめん” って言われて、笑えるわけないじゃん・・・』




ダメなものはダメ、ってはっきり言えて、ブレずに己の道を進む澪奈が妬ましかったんだと思う。





「・・・諏訪」

「何だよ・・・ッ」

「お前は間違ってない。
・・・皆、お前と一緒だよ。
迷って、もがいて、途方に暮れて。
・・・それでも、正解を求めて前を向く。
進んで、進んで・・・ダメなら、傷つきながら引き返す。で、また歯を食いしばって前を向く」




恥かいたって、迷ったって、別にいいの。




「皆みっともないんだよ・・・!
でも、それでいい。それが、いい。
恥を繰り返して、強くなるんだよ。
・・・ていうか、恥もかかずに強くなれると思うな!!」




先生は、諏訪ちゃんに向き直ってその目をじっと見つめる。




「だから、・・・諏訪。
お前のこれまでは、誰がなんと言おうと!!
絶ッ対に間違ってない!!!」




ボロボロと、諏訪ちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちてきた。




「あれ、・・・私なんで泣いてんだろ・・・ッ、
なんで、涙が止まんないんだろ・・・、」





泣きながらブレザーのポッケから何かを取り出した諏訪ちゃんは、それを床に叩きつけた。

ペンダントらしきそれはトップが割れて、中から小さなメモリーカードみたいなのが覗いてる。




「喜志からは何も聞かされてないけど、気になって開けてみたらこれが入ってて・・・ッ、
多分、重要な何かだと思う・・・」




先生はゆっくりとそれを拾い、諏訪ちゃんの目の前に持っていく。




「お前の、想い。
・・・受け取ったからな」






.

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- いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
- 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時

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