Ep.110 ページ16
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先生の目的は、真実を白日の元に晒すこと。
『澪奈が、殺された・・・ッ、?』
「どういうこと、澪奈は自 殺したんでしょ・・・!?」
「誰に殺されたって言うんだよ・・・」
訳が分からない。
殺された・・・?澪奈が・・・、どうして?
軽く混乱状態の私の背中に、そっと香帆が手を添えてくれた。
里見くんがゆっくりと、一颯先生に聞いたことを話しだす。
「それを探すんだ。
・・・ぶっきーが言ってた。
景山の事件は、誰が死んでてもおかしくなかったって・・・。
ターゲットになったのがたまたま景山だったってだけで、俺達の中の誰かが同じような目に遭う可能性も充分にあった、って。
事件はまだ終わってない。
ここで解決しなきゃ、また第2、第3の犠牲者が出るかもしれない、って・・・!」
私達にも、殺される可能性が充分にあった・・・?
それに、事件はまだ解決してないって・・・。
「ちょっと待ってよ!
澪奈の代わりに、私達が命を落としてたかもしれないってこと・・・!?」
「事件は終わってないって、まだ誰かが死ぬっていうのかよ・・・?」
「けど、それと立てこもりがどう関係あんだ?」
「そうだよ、そんなの警察に任せればいいじゃん・・・!!」
皆が口々に、里見くん達に向かって言う。
私は、混乱してしまって何がなんだかわからなくなってしまった。
「・・・A、大丈夫・・・?
ちょっと休む・・・?なんか顔色悪いよ」
香帆に心配されるほどだったらしい。
でも、ここで逃げちゃだめだ。
先生の伝えたいこと、立てこもってる理由、澪奈の死の真相。
私達が知らなきゃいけないことはまだたくさんある。
『ううん、ごめん大丈夫。
ちょっと、びっくりしちゃってさ・・・』
「・・・だよね、びっくりするよね」
ふたたび、里見くん達の方に視線をやった。
「・・・警察じゃ、加害者を特定できないらしい。
だから世間を使って炙り出す必要がある、って。
立てこもったのは、大勢の人間に興味を持ってもらうことが目的だって言ってた」
「警察でも無理って、どういうこと・・・?」
「大勢の人間を使って、どうするつもりなんだよ・・・」
「どう正当化してもこれはまぎれもない犯罪でしょ・・・!?
なんでただの教師がそこまでやんなきゃいけないの・・・!」
沙良の言ってることは、間違ってない。
改めて冷静になって、ひとつずつ考えてみた。
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わ - いつもみてます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c232dbe5e9 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 作者様、好きです。すこですすこ。 (2019年2月17日 10時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年2月17日 3時