人 質

Ep.６ ページ7

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「君達もわかっているはずだ。
･･･でも答えたくない」




皆の心を見透かしたかのように、そう呟く。


綺麗さっぱりになったその机。

誰も知らないだろうけど、あの酷い落書き。
消えろ消えろ、って雑巾で何度も磨いた。それでも消えてくれなくて、最終的には美術室からくすねた紙ヤスリで削ったりもした。
結局落書きは消せたけど、机としては使い物にならなくなって。

澪奈が自 殺してから、何事もなかったかのように新しいものに取り替えられていて。


それが本当に怖かった。

“あぁ、この人達はクラスメイトが亡くなっても何事も無かったかのように過ごせるんだ” って。




「･･･澪奈ですか。
景山澪奈が、自 殺したことですか」




呟くように、さくらがそう言った。

こんなに広い教室なのに、誰も言葉を発さないから端同士の私にもその声は聞こえてきて。




「ピンポーン。
･･･他のクラスにないこと。
それは、生徒を1人失ったことだ」

「あいつは自 殺したんだ。俺達には関係ねぇ」

「本当にそうか？俺はそんな風には思ってない」




甲斐の言葉に、爪が食い込むほど手を握った私をじっと見つめた先生はそう言った。




「この中の誰かが、景山の自 殺に関与した。
────かもしれない」




ぐるりと教室を見渡す先生。







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