Ep.２８ ページ29
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鳴り響き続ける、サイレンの音。
本棚の方から外の様子を見たけど、暗くて何もわからない。
私の後ろで顔をあげた先生は胸元のマイクに向かって告げる。
「───警察の皆さん言ったはずですよ。
“次の指示を出すまで待っていてください”、と。大人しくしていなければ、“生徒達の命は保証しない”、と。
いいでしょう、そちらがその気なら･･･」
先生の表情はもう、覚めきっていて。
「───最初の犠牲者は、お前だ」
目の前にいた中尾くんを見る目は、教師のそれじゃなかった。
つかつかと中尾くんに近付き、その胸ぐらを掴みあげる。
「蓮･･･ッ！」
涼音が叫ぶも、先生はお構い無し。
「ッんだよ！離せよ･･･！！」
先生に投げ飛ばされても立ち上がった中尾くんは、またすぐにお腹を殴られる。
うずくまった彼の側頭部に、容赦ない蹴り。
中尾くんは、私の目の前で倒れた。
「ッ蓮･･･！」
床に座り込む私の目の前で中尾くんに跨り、昼間に甲斐から取り上げたナイフを懐から取り出して。
高く、振り上げた。
『───やだ、･･･一颯先生･･･！』
はじめからわかっていた。
先生はちゃんと、言っていた。
“不正解なら1人殺す” と。
だけど誰も真に受けず、結局さくらに自分達に都合のいい答えを押し付けて。
さくらと私は自分のせいだと思い込み、それは違うと過去の澪奈が否定して。
そう。
全部、気付いたときには遅かった。
「───ッあﾞぁ･･･ッ！！」
先生は、中尾くんの胸にナイフを突き立てた。
生暖かいそれが、私の頬を伝う。
私の涙なのか、中尾くんの血なのか。
「嘘でしょ･･･？
蓮、蓮･･･ッ、蓮！！」
駆け寄ってきた涼音が、何度も何度も中尾くんの名前を呼ぶ。
「･･･殺したのか･･･？
ほんとに殺したのかって聞いてんだよ！！おい！！」
甲斐の問いには答えない。
「･･･これで、大人しくしてもらえますか。
それともまだ、───死人を増やしますか？」
でも、それが答えだった。
一颯先生は、中尾くんを殺した。
「今日の授業は、これで終わりだ。お疲れ様」
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寿司 - 何度も見返しております。 そのくらい大好きです！ (2019年1月19日 17時) (
レス) id: 1641cbc119 (このIDを非表示/違反報告)
のに - 最高です。ストーリーめっちゃ好きです。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: 7e4ee45a06 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - ↓誤字がありました、すみません！これからも、楽しみにしています！です！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - はじめましてオレンジです！あなた様の作品を楽しく見ています！！頻繁に更新をしてくださりありがとうございます！これからも、楽しみにしていましています！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
地咲 - 好きです(真顔) (2019年1月15日 2時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃも | 作成日時：2019年1月7日 21時
