Ep.１ ページ2
.
｢おはよ、A｣
『･･･ぉぁよ、諏訪ちゃん』
「半分寝てるじゃーん」
いつも通りの朝。
いつもと同じ時間、いつもの席。
いつもと少し違うのは。
『･･･さむ、暖かい飲み物買ってこよ』
いつもより寒いこと。
「はやく戻んないとHR始まっちゃうよー」
『急ぎまぁす』
「絶対急がないやつだアレ」
バレたか、とつぶやいて教室を出た。
どうせ向こうもたいして心配していないだろうし、いつ戻ろうがいいんだ。
階段を降りてすぐのところにある自販機で、飲み物を選ぶ。
『これにしよ、』
お金を入れて、はちみつレモンのボタンを押そうとしたところで後ろから手が伸びてきて、カフェオレのボタンを押した。
『･･･甲斐〜』
「ゴチ」
『許す』
「許すんかーい」
石倉くんが何か言ってるけど気にしない。
ジュース1本くらい構わないってのもあるけど、必要以上に関わるのが面倒なだけ。
もう1回お金を入れて、はちみつレモンのボタンを押した。
『はぁ、あったかい』
また階段を登って、少し先にお気に入りの後ろ姿を見つける。
『すんごい荷物、』
ちょうど今持ってるはちみつレモンのボトルを見て、7歩で一颯先生のところまで辿りつけるかやってみる。
『･･･は、ち、み、つ、れ、も、んﾞんんッ！』
ちょうど先生の隣にいけた、と思ったところで上からバッサバッサとダンボールが降ってきて。
「ごっめんA！
ぶっきー、HR遅刻すんなよーッ」
『･･･いだい･･･』
香帆と華ちゃんのイタズラの餌食になった。
「大丈夫か」
『だいじょーぶだいじょーぶ。
すんごい荷物だね。お手伝いするよ』
よっこらせ、と立ち上がって、散らばったダンボールを元に積み上げる。
「遅刻するから、いいよ」
『いいのいいの。
先生より先に教室戻ればセーフっしょ』
セーフではない。マイルールだ。
教室にあまり居たくないってのもある。
『これ重･･･ッ、』
「貸して、」
『わぉ』
私の力じゃビクともしなかったそれが、先生の手によってひょいっと持ち上がる。
『せんせ、もうすぐ絵、完成する？』
「まだしないよ。
卒業式あたりかな」
『･･･先生の絵、見れるのもこれで最後なんだね』
好きだったなぁ、先生の絵。
とっても綺麗なんだけど、どこか狂気じみてて。
細かいタッチなのに荒々しいところがあったりとか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2355人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寿司 - 何度も見返しております。 そのくらい大好きです！ (2019年1月19日 17時) (
レス) id: 1641cbc119 (このIDを非表示/違反報告)
のに - 最高です。ストーリーめっちゃ好きです。 (2019年1月15日 19時) (レス) id: 7e4ee45a06 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - ↓誤字がありました、すみません！これからも、楽しみにしています！です！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ☆(プロフ) - はじめましてオレンジです！あなた様の作品を楽しく見ています！！頻繁に更新をしてくださりありがとうございます！これからも、楽しみにしていましています！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: ea2cee480d (このIDを非表示/違反報告)
地咲 - 好きです(真顔) (2019年1月15日 2時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しぃも | 作成日時：2019年1月7日 21時
