気付かない男、今井です。【IV】

ヘルメット男 襲来！ ページ2

.





春！



桜！！



入学式！！！




『･･････ついに私も先輩かぁぁ』




2年生になりました。


後輩が入学してきたんです。



ということは、先輩になったというわけで。


色々教えてあげるの、楽しみだなぁ･･･

なんて思っていたんだけれど。




「お前ドコ中だァ！？」

「中学で頭張ってたくらいでエバってんじゃねぇ！！！」

「テメェ昼休み屋上来いや！！」




･･･そうだった、こうなるんだった。



───はっ！！！


ということは！

紅高で頭張ってる今井さんもこんな状況ってこと！？

男子校だからもっと激しかったりして･･･！




『･･･心配だな、』




今井さんすっごく強いから大丈夫だと思うけど･･･。




「キャーッ！
三橋さんと伊藤さんよ〜ッ！！」




･･････あれれ？


アイドルみたいになってる、金色ととげとげのシルエット。



でんすてぇんッ、と三橋さんは踊ってる。
理子ちゃんは苦笑いを浮かべて私に駆け寄ってきた。




『･･･どしたの、三橋さん。絶好調だね』

「モテ期ってやつじゃない？
キャーキャー言われて、絵に描いたように図に乗ってるわ」




まぁ、顔はカッコイイもんね。
今井さんの方がカッコイイけどね！




「あれ、伊藤さんは何もしてくれないのかな･･･？」




一年生の可愛い子に期待の眼差しで見つめられる伊藤さん。

暗そう、って･･･。
この子達に京子さんの前での伊藤さんを見せてあげたい。
とっても可愛いのに。




「ごめんねぇ〜伊藤がつまんなくてェ！！」




追い討ちをかける三橋さん。




「伊藤さーん！
つまんなくていいですよーッ！！」




追い討ちに追い討ちをかけられた伊藤さんはもう半泣き。


とぼとぼ歩いてく背中は見れたものじゃなかった。




「A、行こっ？」

『う、うん』





.

▽→←Profile

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す