嘘を破って【ツイステ】 (ページ6)

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碧の怒りページ6

　
　
　
　
　
　

「は？」

『飲んだ事は？』

「...ない」

『そうか、そうだよな。今の時代は水道が普及していてみんなが水を安全に飲めるんだもんなぁ？』

『でもさ、それ一部の人だけって分かって言ってる？』

笑みは絶やさずに彼に問いかける
彼は訳が分からないという表情で黙り込む
呆れたものだよワトソン君

『例えば、スラムの子らは君らみたいに毒で狙われたりは無いかもしれない

けれども綺麗な水は飲めないし食あたりしてしまうかもしれない

でもそれ以外に生きる手段がないんだよ
人間食べなくては生きていけないから

果物屋の店主が笑顔で分けてくれた林檎だって実は全部腐ってるかも、それでも僅かな食べられる部分を探して食べている

又は腐っていたって腹の足しにする人もいる

人間の体は水分が殆どである、という事はご存知だろうが。その水すらお金のない彼らには到底届かない貴重な代物

特に乾いた土地で雨すら降らない場所なら雨水は溜まらない、飲めない』

『それなのに君は彼のユニーク魔法を「植木の水やりかお遊戯くらいにしか使えない」と言ったんだ

信じられないねぇ
水を求めて石を舐めてみたって半分以上削らなければそんなもの得られない。その間も熱くて仕方が無いし乾いて飢えてそれはもう苦しくって、

そのせいで死んでいく子なんて珍しくない
道にたくさんの死骸があることを、そしてその死骸すらも喰らって生きていこうとする子達がいることを知ってる？

例えば「ヤギ責め」という拷問法を知っているかな？

罪人を縛り付けて足を固定して足の裏に塩水をたっぷりと塗られて、それを室内に放たれたヤギが舐めるというものなのだが

ヤギの舌というものはヤスリのようにざらついていてね、ずっと舐められ続けると血が出てくる

慢性的に塩分不足のヤギは塩が含まれるなら延々と舐め続けるんだがそれは血液も例外じゃない

罪人がどんなに助けを求めようと彼らには言葉が通じないからねぇ。足の裏の肉が削げても骨が見えても拷問の執行人が止めるか罪人の血が無くなるまで「ヤギ責め」は終わらない』

『どうだろう？似たような話だと思わないかい？苦しむ側の痛みがそっくり！』

「....何の話をしたいんだ」

『まだ分からない？
.....君には今の位置がお似合いだって言ってるんだよ

君に魔法士としての才能はあっても上に立つ者としての才能は皆無だ、ってね』

　
　
　
　
　