嘘を破って【ツイステ】 (ページ24)

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外伝　命の源編ページ24

　
四章後・Aどっかん済の世界線

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「どうしようぅ～A～」

口を波々させて両手をぶんぶんする小動物
無言でその顔を見つめて、丁度談話室を出ていく誰かさんの背中を見てふむと唇を親指と人差し指で挟む

『....誕生日の宴は開かなきゃ怒られる、からやるけどお祝いする気持ちは微塵も無いし極力俺に近づくな鬱陶しい....こんなところか？』

彼はこくんと頷く。助けを求めているようだが、人が座ってのんびりしてるところに痴話喧嘩を持ってくるんじゃない、と溜息をついて前髪をくしゃりと掻く

年中天気がよろしいこのスカラビア寮
近々ここの寮長カリム・アルアジームの誕生日があるのだが彼、従者と色々あって微妙な距離感になったままなのであった

職業柄、そういった相談やら依頼はよくあるのだがそこそこ親交のある者同士が関わったモノなど一番面倒臭いのだ

本当なら請け負いたくないが仮にも自分が所属している寮のツートップの問題だしカリムに借りがない訳じゃないから断れないこの案件

とりあえず、カリム自身を出動させると火に油を注ぐようなまねなので避けたいが

ということは私が片付け無くてはならないのか？

『....分かった。カリムはいつも通りに過ごしてくれて構わない
こっちで何とかはやってみるけれど、結局君はジャミルとどうしたいの？』

「え？オレは──────。」

『......ァア～。ウン。ナルホドネェ。』

こりゃあ、うん。ブチ切れ案件かもな
流石はラッコちゃん、とんだ爆弾を貝の中にしまい込んでやがる

『と、とりあえず。私はジャミルの所へ行ってちょっと話でもしてくるよ』

何とか言葉を絞り出して立ち上がり、振り返らずに歩いて談話室を出る

「仲良くしろって？」

無理だね、とバッサリ切り捨てつつも当日の準備を着々と進めるジャミル・バイパー

今だっておたま片手にご飯作りと、お前は母か

『安直に捉えるなよな、来客は特にいないけれど宴を開いた事実は必要、つまりは報告があるって訳だ

そういう時上っ面だけ繕って全然近寄らなかったら不信感を持たれるだろ？だから』

「お前に心配されずとも考えくらいある
黙って俺の手伝いでもしてろ馬鹿」

無償の奉仕は嫌いだが...

『はぁ～い、お強いジャミル様～』

「態々当たり前の事を言うな」

『おい』

大人しく従ってあげるよ、と口の端を上げた

　
　
　