碧の解放 ページ17
「終始どういうことか理解できないというかA先輩、さっき明らかに貫かれてましたよね!?」
こう、ばびゅ〜んて!とわちゃわちゃする彼を寝そべりながら見てあぁ、と思い出して笑う
『簡単な話、アリシアのが矢を放って物を破壊するってだけの魔法じゃなくって、私の魔法は基本的に全てのモノの声が聞こえるようになるんだけど、勿論例外もいくつかあるからね?
本来の使い方としてはシスターがやってみせた祭壇から城へと矢を放つ事、でもそれって片方の魔法だけじゃ成せない飛距離で
だから片方が矢を放ってもう片方がその矢と対話して命じなきゃいけないんだ』
『そしてそれが出来るならこれも出来るだろう?体内に存在する異物共を排除しろ、って』
「そしてその異物がシスターとその...まァ、これは元々魔法を保持していた人っていうのが正しいのかナ?」
勿論失敗してれば今頃死んでるけどね、と笑えば
「よかったぁぁ〜」
ぽろぽろと透明の涙を零す監督生
それにぎょっとして思わず体を起こして電流が体に流れる感覚に腰を抑える
意外にもネロが本気で心配そうに駆け寄って来た
たまには優しいじゃないかコイツ
「ぎっくり腰大丈夫でちゅか〜おばぁちゃ〜ん.....ぶふっ。老けたな」
訂正する。あぁ、コイツはこういう奴だったな。
いつもノリで揶揄う相手を心配した照れ隠しに態と言ってるのは分かってるからそこまで怒らないけども笑ってんじゃねぇぞこら
赤ちゃん言葉と混じってるしおばぁちゃんに直接老けたとか言う奴がどこにいるんだと思いながらやむ無く起きて座る事にした
「せっ、先輩、死んじゃったんじゃないかって、ほんとに、ほんとに怖かったんですからぁ!」
えぐえぐ泣きじゃくる彼に初めて見るな、と思いながらごめんって、と軽く優しく言っておく
ちょっとそこの三人衆、慰めてあげて
それ以上泣かせそうな奴らだけども
「ともかく、まだ終わってないでしょ?
これを壊さなきゃあんたの嘘は終われない」
すっと手を出してくる、その手の上には承和色だったり宙色だったりの色とりどりの宝石
その中から承和色のやつだけを取り出して親指と人差し指で掴み、ぐっと力を入れてやる
そうするとぱきん、という澄んだ音と共に欠片となって床に飛び散る宝石
『一番大切な記憶の蓋を割れば連続的に全部の蓋を壊される....これで私が封じてきた色んな人の記憶が解放されたってわけだ』
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作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時