碧の白 ページ16
皆が口を抑えて言葉を無くす
光の矢に心臓部分を確実に貫かれたAは鈍い音と共に床に叩きつけられる
放った本人は顔を歪めて構えを解くと姉に駆け寄りしゃがみこむ
姉の近くにいて手を握れば小さく言葉を発していることに気がついて慌てて口元に耳を寄せる
白い肌に閉じられた瞳だらんと投げ出された四肢は時が止まった様なのによく見てみれば口元が微かに動いている
『....光線屈折、散乱成功。体内免疫低下操作完了、体内侵入成功。血脈一時停止、通過完了。再開。体内細胞選別、完了。光線収束完了、整備万端。体内時間操作自立式魔法陣展開、成功。......焼き尽くせ』
そう言い終えたと思えばAの体がどくんと電撃でもくらったかのように跳ねる
故にごん、と勢いよく後頭部から着地して
よほど痛かったのか頭を抱えて蹲り悶える
『ッだ....い゛っでぇなクソ....』
そう悪態づいたかと思えば口を抑えて咳き込む
綺麗な細い指の隙間から溢れる赤黒い血の塊がぼたぼたっと絨毯の上に落ちて赤い斑点をつくる
名前を叫んで背中を摩るアリシアを他所にこつこつとブーツの踵を鳴らしながら近づくネロ
そして付近で座り込む監督生やオクタの三人を方を向いてしゃがみ、何やら物を受け取っている
「良かったねェこの薬使わないで済んでさァ」
「それ、言われた通りに取ってきましたけども...一体なんなんですか?そんな毒々しい...」
「あぁ、毒だよ。姫さんがこの学園の先生のこと操ってまで授業とシて作らせた、飲めば体の中も外もぐっちゃぐちゃに溶けてなくなっちャう薬」
飲んでみる?とにこにこ笑顔でグリムに差し出せば保護者がばっとグリムを取って抱える
「ふはっ、冗談に決まってんだロ?貴重な薬草をわざわざ使用してる。本当は姫さんの処刑の時に使うつもりだったんだが....要らなくなったッスね」
かと言って捨てる訳でもないので組織で活用させてもらいま〜す、と使い古されたウエストポーチに収納する
「姫さん、起き上がれないんスか?」
『馬鹿言うな。会話できるだけいい方だ。正直息するだけでも苦しい。動けるようになるにはあと五分くらいかかる』
「それを聞くとやっぱり衰えたっスねェ」
うるせぇ、と舌打ちしつつも事実なのでとくに言い返せはしない
軽く会話を交わす私たちに我慢できなくなったのかユウがあの!と声をだす
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作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時