40.イタズラ6 ページ41
さて、どうしたものか
一旦怒りを鎮めたいが、フェイを宥めるのは容易ではない
という事で。もっと怒らせちゃおう！！
今のAの頭はやはりおかしかった。今この状況で更にフェイタンを怒らせたらAの行き着く先はひとつしかない
"死"
いつもなら念を使えて互角には戦えるが今は別だ
100％の確率でAはボコボコにされるだろう
「フェイ…さっきは私の事を抱っこして抱きしめてくれたねぇ」
Aはフェイタンを見上げながらニヤニヤとした笑みで話し始めた
「私が落ちないようにぎゅっともしてくれたし、フェイにもそうゆう事ができたんだね？私びっくりしちゃったよ」
「いやぁ、あれはすっごく嬉しかったなぁ。だってあの時のフェイったr」
Aの言葉は途中で阻まれる
誰のせいか、それは一人しかいない
「死ね」
フェイタンがAに手を振りかざした
ヒュっと空気を切る音がする
「あっぶねぇぇぇ！！」
Aはシャルに助けられ間一髪のところでフェイの手には当たらなかった
目の前には粉々になった床と食べ物が広がっている
「フェイ！！まじで殺す気じゃんか！」
「私は今戦えないのに卑怯だよ！！」
「自業自得ね」
「二人ともやめな」
「！」
いつの間にかマチに拘束されていた
フェイもAに気を取られていたのかまんまと捕まっている
「あんたら少し頭を冷やしな。特にフェイ。Aも少しは学びなよ」
そう言うとマチは拘束を解いた
「……」
「たまにはフェイから謝って。いつも私からだから」
「…」
二人の間に沈黙が続く。お互い謝る気は毛頭ない
「おい、二人とも謝るんだ」
「無理ね」
「私も」
ぷいっとそっぽを向いて腕を組む
するとクロロがコインを持った
「じゃあ、コインで決めよう」
「俺とフェイタンで賭ける」
どうやら二人で賭けるようだ。これはフェイが負けたら私に謝ってくるということだろうか。だとしたら絶対にクロロには勝ってもらわないといけない
「では始めよう」
クロロの合図でコインが高く上げられた
それはクルクルと綺麗に回っていてとてもどっちに転がるかなんて分からなかった
「裏ね」
「表」
パッとクロロの手の甲の上にコインが落ち手で蓋をする
クロロの手が退けられる
結果は表。クロロの勝ちだ
「チッ」
フェイタンは舌打ちをしながらもAの方へ体を向けた
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作者名：てん | 作成日時：2021年8月28日 22時
