【h×h】ネガイ×ト×セカイ【幻影旅団】 (ページ28)

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27.希望と絶望ページ28

目が覚めると車の中にいた。他には誰もいなく私一人だけ置いていかれたようだ

もしかしてと思い急いで車から降りる
辺りは真っ暗で頼りになるのは僅かな月の光だけだった

すると突然遠くの方で火の手が上がる。遂に始まってしまったようだ

Aは急いで火の上がった方へ走り出す

「お願い…間に合って」

・

村に着くとそこは火の海だった。風で炎が煽られ空気が熱い。バチバチと家から家へ炎が移る。更には至る所に血や死体が散乱していた

それはまさに地獄絵図だ

だが近くに蜘蛛の皆はいないようだった。だとしたらもっと奥の方に人が居るのか

Aは村の奥の方へ急ぐ

すると少し離れた所に花畑らしいものが見えた。あそこに誰かいる。目では見えないが気配でわかる。
恐る恐る近づくと見知った顔だった

「パイロ…」

パイロが花畑の真ん中で泣いていた
まだ生きている。まだ…希望はある。Aは草の根をかき分け花畑に入る

「ねぇ」

Aの言葉に驚いたパイロが勢いよく振り返った

Aはパイロがこれ以上怖がらないようゆっくりと腰を下ろす

近くで見ると服と顔には血が着いていた

恐らく命かながら逃げてきたんだろう。そう考えると自然に顔が歪む

「私はA君を助けに来た」

パイロさえ助ければクラピカの気持ちも楽になる。これからも二人には支え合って生きていてほしい

「嘘だ！！お前もあいつらの仲間なんだろ！！ボクを殺しに来たくせに！！」

パイロは目を緋色に染め泣き叫びながらAに言う

「違う。本当に私は君を助けに来たんだ。君には生きて会わなきゃ行けない人がいるはずだろう」

「だからその人のために今は逃げて生きようよ」

パイロはその言葉に目を見開き大粒の涙をボロボロと流す

「なんで知って……」

質問には答えず誤魔化すように聞く

「君名前は？」

少し間を空けてパイロが答える

「…パイロ」

「パイロ約束する。私は必ず君も君の友達も助ける」

Aの目は月の明かりに照らされ美しく光る
パイロと目を合わせ安心させるように言った

その時強い風が二人を襲う。今の風で一気に炎が広がり早く行かないとここも直に火の海になるだろう

Aは立ち上がり手を伸ばす

「さあ早く私を信じて」

パイロは流れていた涙を拭きAの手を掴もうと立ち上がる

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だがパイロは永遠にAの手を握ることはなかった
"クラピカ"それがパイロの最期の言葉。