12.マチ ページ13
本当に私を蜘蛛に入れる気なのか
でも、私の戦闘力は皆無だ。それに今私を入れる利益が見つからない
「……」
シャルナークは納得いっていないようだった
そりゃそうだ。会って数時間、まともに会話もしたことないやつが急に仲間になるだなんて流石に同情してしまう
「団長…それ本気？」
流石のマチも困惑している
「あぁでもすぐにじゃないさ。先ずはAに強くなってもらわないといけないからな」
「最初は俺と戦闘訓練をしてもらう」
戦闘訓練…絶対に辛い。
出来れば楽して強くなりたい。
「楽して強くなろうなんて思うなよ」
私の心を呼んだかのようにクロロが言った
この男はテレパシーでも使えるのだろうか、
そして私はまた乾いた笑みを浮かべる
「ははっ…分かってるよ、」
「訓練は明日の朝から行う」
「…OK」
────────────
マチside
Aを初めて見た時はただ純粋に綺麗だと思った。表情は無表情に近かったけどたまに出てくる軽やかな笑みがあたしにはとても眩しく見えた
これが第一印象。
第二印象はおかしな奴だと思った。
今まで盗みや殺し色々なことをしてきたがお礼なんて言われたことがなかった。ましてやあんなに笑顔で。
同時にこの子は恵まれた環境で育ってきたんだなと、少し憎かった。
恵まれてたから笑顔になれるんだ。そう思っていた
だが団長との話を聞いてみると、Aは訳ありのようだ
どうやら記憶が曖昧らしい
すると団長はAを蜘蛛に入れると言い出した
これにはあたしも抗議したが団長は頑なに認めない
どうして会ったばかりなのにここまで団長が引き寄せられてる
蜘蛛のメンバーは昔ならの馴染み同士
あんなどこから来たかも分からないような奴
あたしはどうだっていい
・
・
・
何故こんなにも胸が痛むのか
今のあたしには到底理解できなかった___
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作者名：てん | 作成日時：2021年8月28日 22時
