すのおやこ4 (ページ6)

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ナレーション

涼しい風が吹いてきた季節

涼太くんはお兄ちゃんの忘れ物片手に高校まで足を進めます

でも

dt『あ、ちょちょ』

蝶々を追いかけて行くといつもと違う道にきてしまいました

ハッと気づいた時、見慣れた建物はもうありません

どうしよう、ときょろきょろしたとき、防犯ブザーに付いたメモが目に入ります

dt『んん…』

少し人見知りの涼太くん、誰に声をかけようか迷ってしまいます

すると

"僕、1人？迷子？"

近くを通ったサラリーマンが声をかけてくれました

dt『おつかい…ここいきたいの…』

メモを見せるとこっちだよ、と近くまで一緒についてきてくれて、あとは目の前の横断歩道を通るだけ

dt『あーとっ…』

頑張ってねと頭を撫でてもらって、よしと気合を入れ直します

勇気を出して門の中に入りました

きちんと靴を脱いで揃えた涼太くん、

今は授業中、廊下には先生の声が響きます

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

突然の大きな音にびっくりした涼太くん

思わず目が潤みます

すると休み時間になって、ガヤガヤとしてきた廊下

すみっこでどうしようか迷っていると

fk『あれ、翔太の弟じゃん、涼太どうした？』

友達と歩いてきた、翔太くんのお友達辰哉くん

以前から何度か家に来ていたので、覚えててくれたみたい

dt『たちゅ…？』

辰哉くんが抱き上げてくれて、不安げな涼太くんも安心してきたようです

dt『しょたのふでばこ、れんののーとっ…』

fk『届けに来てくれたのね、翔太のとこ行こうか』

抱っこしたまま教室まで連れていってくれる辰哉くん

周りの子が可愛いねと褒めてくれると恥ずかしそうにぎゅっと抱きつきます

fk『翔太、涼太来てるぞ』

wt『お、涼太よく来れたね、ありがとう』