｜ ページ12
「実は僕もジフンくんとお揃いの作ってみたんだ」
俺と同じ色のミサンガを足首に付けるAさんに小さな優越感を抱く。
「Aさんは、なんて願いを込めたんですか？」
「僕は早く韓国語が上達しますように、って。“…みんなとたくさんコミュニケーション取りたいな”」
ジフンくんは？と聞かれ、俺は少しだけ悩んだ。もちろんデビューはしたいけど、それはあくまで自分の実力で勝ち取りたい。
俺の願い、か。たしかあのとき、俺は―――。
「――ジフナ、ジフナ」
聞き慣れた声で呼ばれ、俺はゆっくりと夢から現実へと覚醒する。随分と懐かしい夢を見た。どうやら作業途中で眠ってしまったみたいだ。
「………Aヒョン？」
「うん、おはようジフナ。夕飯持ってきたけど食べる？」
食欲そそる匂いが鼻腔から脳に突き抜ける。今日は朝から何も食べてなかったからお腹が空いた。
「………たべる」
「ふふ、そうしたら一緒に食べようか」
テーブルの上に乱雑に置かれた物をヒョンが綺麗に片付けてくれていた。そこにヒョンの手作りご飯が並べられてゆく。
「これ全部食べていいの？」
「うん、いいよ。その為に作ってきたんだから」
お腹を空かせた俺は黙々と食べる。ヒョンの料理は本当に美味い。ミンギュも料理上手で美味いけどヒョンは格別だ。
「はい。頼まれてたやつ」
食べ終わった頃、ヒョンが俺にある物を渡す。それは頼んでいたミサンガだった。
「ヒョンありがとう。今回は赤なんですね」
「最近赤色にハマってるでしょ？…毎回、律儀に付けてくれてありがとう」
どうやらヒョンは俺が気を遣ってミサンガを付けているんじゃないかと心配しているらしい。
「俺が好きで付けているんです」
「…そっか。練習生のときから付けてくれてるもんな」
嬉しいよ、と照れたように笑うヒョンに自然と自分の口元も緩む感覚を覚えた。
あの日からAヒョンには定期的にミサンガを作ってもらっていた。やはり激しいダンスや運動で切れてしまうのだ。これで9本目になる。
「今回はどんなお願いにするの？」
「………秘密にしとく」
「えー、前回は教えてくれたのに？」
言えるわけがない。
Aヒョンが俺のことを『ひとりの男』として意識してくれますように、って。
あいつらに知られたら絶対に揶揄われるに違いない。そういう奴らだ。
俺の願いは、叶わないかもしれない。
それでもいい。Aヒョンが側に居てくれるなら、今はそれだけで俺の心は満たされるんだ。
【神回】日本が誇る顔面国宝✨照れるサナが天使級に可愛い💖→←〈 ミサンガに込めた願い 〉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1475人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
矢崎(プロフ) - Kuuuさん» 書こうと思えばいくらでも書けそうなので、一旦第二章で区切りたいと思いまして…。優しいお言葉ありがとうございます😭❤︎ また機会がありましたらリクエストお待ちしております🙇🏻 (12月28日 23時) (
レス) id: 8666a8e623 (このIDを非表示/違反報告)
Kuuu(プロフ) - そうなんですね！お気になさらないでください！！完結するのは悲しいですが、最後まで頑張ってください☺️ (12月28日 21時) (レス) id: ce7cf1c692 (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - Kuuuさん» いつもご愛読ありがとうございます〜っっっ！！！とても励みになります😭😭今後も長男を温かい目で見守ってくださると幸いです。 (12月21日 15時) (レス) id: 6052659b24 (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - Kuuuさん» Kuuu様、コメントありがとうございます！！今後リクエストを再開する目処はなく、現在抱えてるリクエストで終了するつもりです。ご希望に添えず申し訳ございません🙇🏻このお話も第二章で完結する予定です🥲（続きます） (12月21日 15時) (レス) id: 6052659b24 (このIDを非表示/違反報告)
Kuuu(プロフ) - もしリクエスト再開しましたら、弟グループのTWSと絡んでみてほしいです！中華メンバーのハンジンくんで描いていただけたら嬉しいです…！気が向いた時などいつでも構いませんので、今後も更新楽しみにしております😊 (12月21日 1時) (レス) id: ce7cf1c692 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：矢崎
| 作成日時：2024年5月1日 11時
