ヤンデレ乙女ゲームのヒロインに成り代わったけど。【鬼滅の刃】

「世も末」 ページ3

ツンっと医薬品の匂いが鼻をつく。まるで、病院みたいで……????病院??

自分の部屋とは似ても似つかない匂いにゾッとして、上半身を勢い良く上げた。


「へ??ど、どこ!?え！？はぁ??!!!」


まるで絶叫したくなる様なこの景色。こ、これ、これってさぁ…え??蝶屋敷??
え??私が夜遅くまでプレイしてた乙女ゲームの医務室よね??

確かこの場面は…ヒロインが鬼にやられて怪我をして……蝶屋敷に運ばれて…えっっ、


嫌な予感がしてぺたぺたの自身の顔(仮)を触ってみる。＿＿けれど明らかに以前の自分の顔とは造りが違う気がした。



「…いや、な、なんてね、……」



と言って寝る体勢に入ろうとするものの｢いや、でもまさか｣と嫌な予感が頭を横切り傍にあった手鏡で顔を見た。


「……嘘嘘嘘嘘」



艶々できめ細かいお肌。何と毛穴１つ無いし、髪だって…さらっさらで細くて綺麗の他何がある？って感じで…。

まつ毛も長くて鼻も小さくて高い…ぽってりとした唇と加え、この小さな顔………凄く見覚えがあり、それと共に絶望を感じた。

＿＿あぁ、終わった。と思った。だってこれは超ヤンデレ乙女ゲームの「鬼滅の刃」のヒロインの顔なんだもの。

これから食べられたり(物理)、撲殺されたりするのかと思うと、精神的と物理的にきついし何よりもパッパとマッマとポム(犬)にきっともう逢えない…。


驚きと哀しみだ何て、今日の感情は忙しい。
のろのろと力が抜けた様にベットに体を預けた。


「い"ｯ」


ズキリと嫌な感覚が体を走った。

服を捲ってみれば包帯に血が滲んでいる。きっと手当して瘡蓋ができかけの時に騒いだからだろう。傷口が開きかけている所だと思う。

ズキズキとお腹の傷が波打つように痛くて、蹲った。


「…やだなぁ」


なんだろう、ツイてないや。知ってるけど知らない場所にトリップして、しかも家族と会えないし鬼がいる時点でこの世界は死亡率が馬鹿にならん。しかもヒロインと来た。お釈迦逝きなんて道も長くは無い。

思わず泣きそうに感傷に浸っていると、頭を触れられる感覚がした。



「…だ、だれな………ひぎゃあああああ!!!!!!!!!!」


私の断末魔が蝶屋敷き響く。


見慣れた赤がかった髪に花札のような、と言われている耳飾り。それらはモニター越しで見慣れていた。

……ねぇ知らんて、ほんとに。竈門炭治郎の出会いイベントとか終わったからぁ!!!!!!!!!

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