何も無い天使(side Seungcheol) ページ35
−天使があの子と出会う前のお話−
SC「ハニ、お前怪我してんじゃん…また喧嘩したのかよ」
JH「売られたから買っただけ」
今とは考えられないくらいに、ハニは荒れていた。
自分から喧嘩を売りはしないが、売られた喧嘩は全て買い、相手が何人がかりで来ようが全員をボコボコにしていた。
倒れてる相手全員を見下ろしてはいつも言っていた。
JH「綺麗だね、コイツら」
その時はハニのその発言の意味が理解出来なかった。自分に先程まで襲いかかってきたゴツイ連中相手にあまりにも不相応な言葉を呟いて、ハニはいつも何も写してない瞳を揺らしていた。
JS「ハニ…今何考えてる？」
JH「さぁ？」
ジスの言葉にニコッと笑って…否、笑ってるフリをして先程とは打って変わってスタスタと歩くハニ。
その背中は寂しそうで痛々しくて、酷く儚かった。
・
JH「スンチョラ、好きって何？」
SC「…は！？急に何だよ！？」
いつも通りソファーで毛布に包まってそう呟くハニに冗談かと思い、焦って返答したもののハニの目は本気だった。
本気で分からないとでも言いたげなその瞳に縛られてしまう。
SC「一緒に居たいとか…自分のものにしたくなるとか…？」
JH「ふーん」
SC「何かあった？」
JH「彼女？にフラれた。私のこと好きじゃないの伝わるってさ」
フラれたと言うのに、淡々と話すハニ。
あまりにも当然かのようなその雰囲気に息を呑んでいると、チラリとあの大きな瞳が横目で俺を捕らえた。
JH「ビックリした？俺が普通だから」
俺の心を見透かしたようなその質問に冷や汗が流れた気がした。
悟られまいとこちらも平然と頷けば、ハニは形のいい唇を上げて綺麗に微笑んだ。
JH「だって俺、
…は？
SC「え…付き合ってたのに！？」
JH「元々泣いて頼まれたから付き合ってみただけだし。特に面白くもなんともないのに、無駄に束縛されるだけだったから寧ろスッキリしてる」
ハニはそう言ってまた笑った。
ハニは人に束縛されるのを酷く嫌いなのに、自分のものを誰かに取られるのはさらに酷く嫌がった。
そんなハニに確かに恋人なんて向いてる訳もなく、よく考えたら当たり前の結果なのかもな、なんて自身の思考さえもバグってきてる気がした。
JH「好きになってあげたかったなぁ…」
冷たい人間な割に、実はハニの心の中はいつも優しかった。
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あんぱんまん(プロフ) - 間違えて1番左の星を押してしまったことをお詫びします(இдஇ`｡) (2022年8月30日 9時) (
レス) @page49 id: 9d9411b7d4 (このIDを非表示/違反報告)
RINKA(プロフ) - こちらこそよろしくお願いします！ (2021年9月10日 22時) (レス) id: c21e96cbb4 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - RINKAさん» いつも読んでくださり、本当にありがとうございます！こちらこそ読んでいただき、本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします(^^) (2021年9月10日 21時) (レス) id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
RINKA(プロフ) - おめでとうございます。すいさんのお話がとても好きで、いつも読ませて頂いております。いつも素敵な小説ありがとうございます。更新頑張って下さい。楽しみにしています。 (2021年9月8日 18時) (レス) id: c21e96cbb4 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - うどんさん» コメ主様のその姿を想像して1人でニマニマしてる作者です(ニヤニヤ)嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります(^^) (2021年8月15日 18時) (レス) id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すい
| 作者ホームページ：http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時：2021年7月28日 9時
