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『ねぇ聞いて!!私好きな人出来ちゃったー!!!』


「…は?」


朝から私のドキドキの報告に、大親友のユナはただただ眉をしかめた。
恋に恋していた私もついに春が来たのだ、そう!春真っ盛り!春!おめでとう春!


『今日電車ですっっごいイケメンがお爺さんに席譲ってたのね?しかも通勤ラッシュでお爺さんが潰れないようにお爺さんの前に立ってお爺さんを守っててそれがすっごく…』


ユナ「ストップ!!!」


バシッ


『べフッ』


止まらない私の口を、あろう事かユナはぶっ叩いた。ヒリヒリとする口元。いつもならば怒っているところだけど、今日はそれ以上に"運命の人"に出逢えたという奇跡に胸が鳴り止まないわけで。


ユナ「いきなり何?どういう事?」


『だから、イケメンが…』


ユナ「ちょっと1回落ち着け。分かった、事の経緯は分かった。で、何でそれが好きに繋がるわけよ」


『ビビッときたんだよね…この人が私の初恋の人だっ!って』


ユナ「ツッコミどころがあり過ぎて頭おかしくなりそう…それはただの"優しい人"であって、"好きな人"ではないでしょ!?」


優しい人。
それはそうなんだけど、何かこうビビッときたんだよなぁ…
上手く言葉には表せないけど、1番近い形で言ったら…


『一目惚れ?』


ユナ「絶対違う!それは恋じゃない。感動だから!」


大親友は怖い顔でそう言った。
迫力満載の眼力にコクンと頷けば、「よし」と言ってスマホに視線を戻された。

久しぶりにビビビッてなんかきた気がしたんだけどなぁ…


『ユナは最近彼氏とどうなの?』


ユナ「別に普通〜。よく言えば安定、悪く言えばつまらない。」


私と違って大人っぽいユナはやっぱそれなりに恋愛経験豊富なんだろうな…
ずっと理想の王子様を求め続けた私にもやっと春が来たって嬉しくなったのになぁ…


続々と入ってくるクラスメイトにいつも通り挨拶すれば、みんなを「おはよー」と返してくれる。
楽しいよ、毎日は。
大好きな友達に囲まれて、大好きな親友だって居て。

でもやはり物足りなく感じてしまうのは…


『女子校だからかなぁ〜』


ユナ「何が?」


『毎日に刺激がないって言うかさ?ユナは彼氏居るから分からないよ』


そう、ユナには分からない。
誰かにドキドキしながら過ごしたり、少しのことで気分が上がったり下がったり、そんな生活に憧れてる私の気持ちなんか。

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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya  
作成日時:2021年4月11日 1時

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