キス ページ48
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『 ちか、いねんけど、 』
本当に数ミリ動いただけで唇が触れてしまう。
そんな至近距離でも彼は焦らずただひたすらじっ、と私から一切目を逸らさない。
「 ………好きでもない男に焦ってる? 」
『 っ、』
少しの間の沈黙も苦しい。
ズルいやん、こんなん。
誰でもドキドキしちゃうやろ。
多分相手が…………小瀧くんじゃなくても。
「 ねぇAさん 」
『 な、に 』
小瀧くんの声がやけに響く。
今まで以上に心臓が忙しいのが分かる。
あーいやや、聞こえてしまいそう。
「 ………今チューした怒る?」
『 な、何言うて、………怒る 』
「 そんなん言われると余計にしたなる 」
『 っなんで聞いたん……!? 』
ググッと彼の顔が近づけばとうとうお互いの鼻までぶつかってしまう距離になる。
更に目が離せなくなった。
互いが動く度布の擦る音がもどかしい。
「 なあ、アカン? 」
ダメだ、頭が…………
さっき夕飯と一緒に呑んだアルコールのせいか、
それとも、
『 、ちょっと、だけなら 』
私の本心か。
酔ってるから、と何故か自分に言い訳をして受け入れてしまった。
少しだけ驚く顔を見せた彼だがすぐにその表情は元々近かった顔を更にグッと近づけた。
彼の吐息が掛かり覚悟を決めた私はそっと瞳を閉じて時が過ぎるのを待つ。
…………………中々その時が来ないもんだから、恐る恐る瞼を上げた。
『 っ、』
小瀧くん、こんな顔出来たん…………
「 だいすき、Aさん 」
その瞬間、逞しい彼の腕が頭の後ろを支えるようにして添えられ
そっと、重なった。
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作者名:むんく 。 | 作成日時:2019年8月15日 15時