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Shigeoka side
「 あーっ!小瀧な!覚えてる覚えてる!
あのクソ生意気な小瀧望やろ? 」
「 …………、」
え、なんなんこいつ。
いかにも「俺のAさんに触るな」オーラダダ漏れやねんけど。お前のちゃうしな。
「 ……なぁ、はよ行きましょ?Aさん 」
そいつは急かすようにAの手を引いて足を1歩前に踏み出した。
おいおい久しぶりの再会でそれは無いんちゃうか?俺も無理矢理目合わせてやってるやろ。
一方Aは不思議そうな顔で小瀧を見上げた。
………………身長デカない?あんなにチビ助やったのに、俺の方が見下ろされてるやんけ。
「 なあAさん、」
『 行くもなんもこの隣が私の部屋なんやけど 』
「 気づかんかった……!! 」
アホやこいつ。
予想外の展開にあたふたと慌て出す無駄に背の高い餓鬼。
確か高校生やったっけか。
悔しいけどこの容姿はさぞモテるやろな。
あの時も可愛い顔しとんなーって思っとったけどまさかここまでイケメンなるとは思わへんかった。計算ミスや。
「 そんな怖い顔してどうしたん? 」
「 ……っんやねん腹立つわ。
お前は昔っから何も変わってへん!相変わらずイイ性格しとるわほんま! 」
「 褒め言葉ありがとー 」
「 褒めてへんわアホ!帰れ! 」
「 お前が帰れ 」
『 ………大毅も小瀧くんも落ち着きや 』
「 ふんっ。大毅のあーほ 」
べーっと可愛らしく舌を出して勝ち誇ったように俺を見ればAの腕に絡みつく。
あざとい女みたいなことするやん。
それでも本能には逆らえへんのか、やっぱりイライラして、
反対側のAの手を取って、その手を強く引いた。
反対側の小瀧の手が自然と離れる。
「 あっ、」
『 えっ、なに? 』
「 ………ええから動くなって 」
顔を歪めて唇を噛み締める小瀧を鼻で笑って、
Aにバレぬよう口だけを動かした。
" 絶対渡さんからな "
_____どうしても、コイツだけは簡単には譲りたくないねん。
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作者名:むんく 。 | 作成日時:2019年8月15日 15時