＊トラ子のための妄想短編集ぱーとつー＊

＊Genta.M＊ ページ28

海のにおいがする。


なんで私たち、こんなとこ来たの？？


今2月だよ？？


寒すぎるんですけど。


・


『寒いんだけど、』

「あんま文句言うなよー。」

『海まだ〜？』

「あとちょっと」

・



お互い寒すぎて、手を繋ぐ余裕もない。



・



海無し県に出身の私たちは、

海へのあこがれは強いし、

それで来ようって話になったんだけど、

時期間違えてるよ。確実に。



・



「あ、あった！！」

『やっとだ〜！』

「やばい！めっちゃ綺麗じゃない！？」

『ほんとだ！！』



・


奇跡的に天気も良くて、

綺麗な青色の海が見えた。


・


「...2人で来れてよかった」

『...なんで？？』

「だって、夏約束したのに行けなかったから」

『あれは、仕方ないよ。忙しかったもん。お互い。』



・


8月に海に行く約束をしてた。


日程も決めてた。


けど、8月は元太達に色々あったから。


グループの時間も大切にしたい、とのことだった。


・


「俺売れるから」

『だね、』

「海に願いに来た」

『なにそれ、笑』

「海に願うの！」

『はーい、』

『私も願うよ、海に』


・


大事な休みを私にくれたんだから、


もちろん元太の願いを叶えてあげたいし、


でも元太の願いは、私一人の力じゃ到底叶わないから。


冬の冷たい海に願ってみた。


・


『来年は暖かい時期に来ようね？』

「そうだね笑 ちょっと寒すぎたね笑」

『手出すの怖い笑』

「おりゃ！」

『うわっ』


・


元太の左手に掴まれた右手は、


見事に元太のアウターのポケットにはいって、



・




「Aの手、つめたっ」

『元太のポッケであっためてもらう〜』

「両手つっこむ？？」

『どんなよ笑』


・



こんなにかっこいいこと出来ちゃうんだからね。



ほんとに彼には適わない。



・



「寒いから戻ろ」

『ね！ラーメン食べよ』

「いいね！食べよ食べよ〜」



・



目的は海なのに、


海の滞在時間短すぎ。な私たちでした。



――――――――――――――――――


ごめんなさい。きゅん要素少なすぎた。

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