純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ49)

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「わ、悪い！」

「困ったな…」

大我は困ったなんて言いつつ、私の背中を押して駅の方向へ歩き始めている。もう帰る気はゼロらしい。

まだ一緒にいたい、って何？

友達、だからだよね？

私たち仲良しだし、話すのが楽しくてまだ帰るのが名残惜しいからとかそういう事のはず。

それとも女の子を送らないとという責任感だったり…？
私があまりにもしつこいから黙らせる為にとか。

「ちなみにさっきの一緒にいたいってやつ、本音だから」

「ほ…、ほう」

「ほうって(笑)」

気付けば私の斜め前を歩いている大我。

少し前にいるってだけで、歩くスピードも合わせてくれていて

月明かりや街灯に照らされる横顔もいつもよりも綺麗に見えたり

というか身長高っ
足も長っ

あれ、大我ってこんなにかっこよかった？

「見すぎじゃない？穴あくって」

「穴あけようとしてんのー」

「照れ隠ししちゃうの？俺そんなにかっこよかった？(笑)」

余裕そうな大我をちょっと見返してやりたくて

「うん、ちょっと見とれちゃってた」

と、真顔で言ってみると

「じゃあ、ちゃんと俺Aに釣り合ってる？」

なんて真顔で返される。

「大我はかっこいいから、そんな心配ないでしょ」

「Aに初めて言われた気がする！
もっと言ってよ。自信になるから」

「はいはいかっこいいかっこいい」

「俺は初めて会った時からAの事まじで可愛いって思ってるからね」

ああ言えばこう言うってやつ。

やっぱり大我には適わないのかもしれない…