32 ページ32
*
「は？」
「じゃあね〜」
Aは衝撃的な一言を言い捨てると、悪戯っぽく笑い階段を駆け足で降りて行った。
人の事言えるたちじゃないけど、如何にも運動神経が悪そうな独特な走り方をする彼女にこんな時ですらしっかりとときめいた。
「いちばん……すき…」
やばいやばい、ニヤけが止まらない。
いや、流石に冗談だって分かるけど！分かるけど！
その場で動けなくなっていると、ポケットに入れていたスマホから通知音が聞こえた。
「…っくそー…」
″ っていう嘘ー☆ ″
いつまでも掴めそうで掴めない、犬と見せかけて実は猫みたいな。知れば知るほど可愛い奴。
もはやちょっとムカつくまである。
更に言うとAとの仲を邪魔する工藤には更に腹が立つ。アイツまじなんなの？本当に訳が分からない。
幸せ半分、イライラ半分のまま教室へ戻った。
「きょも！サボってた？」
「うん」
教室に戻ると慎太郎がすぐに話しかけてきた。
俺がサボるのは珍しくないから、こういう会話も割と日常茶飯事。
「てか今日保健室行ってないんでしょ？サボって何してたの？」
「なんで知ってんの？」
「小林が保健室行って戻ってきた時にきょもいなかったって言ってたから」
「ふぅん。まぁどこにいたかは秘密」
見つかった時に逃げ場が無いリスキーな場所ではあるけど、あそこは俺とAだけのサボり場にたい。
あの場所は教えない。
「もしかしてAといた？」
「…なんで分かんの」
「やっぱり〜」
やっぱりってどういう事？
慎太郎ってエスパーなの？
「幸せそうな顔してたから！」
…俺ってそんなに分かりやすい？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 786人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まいやん(プロフ) - 更新お疲れ様です！いつも楽しみに読ませていただいています！これからもご自身のペースで頑張ってください！ (2022年8月8日 17時) (
レス) id: 9a00c406d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴぇ | 作成日時：2022年8月1日 19時
