純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ28)

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「友達に工藤と関わるの辞めた方がいいって言われた？」

「うん、大我だったらどうする？」

工藤って、一体何なんだ。

もしかしていじめっ子？いや、だとしても俺とAを切り離そうとする意図が全然分からないし。

「てか私の話ばっかでごめんね」

「だからそんな気遣うなってば。次言ったらぶっ飛ばすよ」

「大我ってそんな物騒な事言うの！？(笑)」

勿論冗談だけど、Aは相当ツボだったようで腹を抱えてゲラゲラ笑ってる。
可愛いなーなんて、自然に俺も口角が上がってしまう。

「ふっ、笑いすぎ(笑)」

気付けば隣に座るAに手を伸ばしていて頭軽く撫でていた。
なんかこう、Aってまじでよしよししたくなるというか、そういうところある。

「ちょ、」

「ん？」

「いや照れるから、普通に」

なんだそれ、流石に可愛すぎる。
普通素直に照れるとか言うか？

「あなたそれはちょっと可愛すぎるんじゃない？」

「からかうなよなー」

ここで唐突の男口調。
穏やかな物腰柔らかい喋り方が相まってどこまでも俺のツボを擽る。

おまけに人気のない階段の狭い踊り場で2人きり。
シチュエーションは完璧。

付き合ってる事を錯覚しそうな距離感で、俺の幸福度は極限に近かった。

「A、」

「んんん待って、話逸れてる！」

俺、このまま告白しそうになってたかも。

両想いの確信なんてこれっぽっちもなければ、解決しなければいけない事だってあるのに、気持ちが先走りすぎてしまった。

危ねー…

「…あぁ、えっとなんだっけ」

「だから、友達に…あ」

Aが話し出した瞬間、昼休みの終わるチャイムがなった。

「あー…」

話が途切れて歯切れが悪い所為か、理由はどうであれ
まだ話してたい、とでも言いたげな分かりやすく名残惜しいような顔をした。

「A、サボっちゃおっか」

「え、でもこんなところいたらバレる」

「そん時はそん時(笑)」

「んーーあり(笑)」

お互い顔を見合わせて、子供みたいに笑い合った。