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「京本、女子が呼んでる」
「誰?」
「知らない、俺は初めて見た」
「でも結構可愛い」と、やや興奮気味のクラスの奴が指す先を見ると、ドアから半分顔を覗かせたAの姿があった。
「Aじゃん!」
「待ってあの子がAちゃん?え、京本どういう感じ?」
学年でも可愛いとそこそこ有名なAは勿論俺らのクラスでも名前は知られている。
慎太郎がAの名前を出したせいで周りの奴らが反応した。
「全然普通に友達だよ」
そうは言っても茶化してくるもんだよな、知ってる。
「Aー、何してんのー!」
「お前は待ってて」
立ち上がってAの所に向かおうとする慎太郎の眉間に軽くグーパンをかまして、Aの待つ廊下に向かう。
慎太郎はこう見えて周りをよく見てる気遣い屋だから、俺の気持ちなんてとっくに気付いているだろう。
大袈裟に「痛てぇよぉ〜」なんてふざけてる慎太郎。
皆が慎太郎に構ってる間に俺は抜けがけ。
「珍しいね、どうしたの?」
「ごめんね急に。お昼、一緒に食べてくれたりしないかなって…」
見るからに駄目元です…オーラが半端ない。(笑)
この様子だとまだ工藤とは仲直り出来てないんだろうな。
…だとしても、わざわざ俺のところに来るほどAってやっぱり工藤以外に友達いないのかな?
「いいけど、なんでそんな下からなの(笑)」
「いや、急に教室まで来たから迷惑かもしれないじゃん?」
「気遣いすぎ、気にしなくていいのに」
好きな人である以前に俺とAは今は友達。
もっと言うと仲だってそれなりに良いはず。
だったらせめてもう少し気遣わない仲にはなりたいもんだ。
俺はもっとAがフランクに接する事ができるポジションになりたい。
なんて、図々しいだろうか。
「そうかな?」
「うん、寧ろ嬉しいし」
「そっか、良かった。」
「どうする?教室入る?それとも2人で食べる?」
まぁ教室で食べるのは避けたいんだけどね。
ここで当たり前のように2人で食べるのを強要してもキモい奴だし、2人でたべたいと念を送りながら問いかけた。
「2人でもいいかな…?」
「ふふ、Aってば積極的」
「ねぇそんなんじゃないからね!?」
思わずニヤけたけど、Aにはそんな気ないって分かってるから必死に抑えた。
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まいやん(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しみに読ませていただいています!これからもご自身のペースで頑張ってください! (2022年8月8日 17時) (レス) id: 9a00c406d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぇ | 作成日時:2022年8月1日 19時