君と一緒に海へ3 (ページ28)

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『…ごめんね。いつか話すから、今は…』

落としたオレンジを拾いあげ、タンポポくんを見る

「…じゃあ、一つだけ教えて」

『何…？』

「どうしてキミは、“海賊になりたい”って…」

ピクリと動く体

『私はね、島の子たちと一緒に月に数回来る海賊が好きだった。貧しい暮らしを送っていた私たちに、めぐみの食材をくれた
そんな人になりたい、困っている人に手を伸ばす人になりたいと…でもね、いい海賊もいれば悪い海賊もいる…。ただそれだけ。タンポポくん』

「？」

『この世に神様なんて、ヒーローなんて、救ってくれる人なんて、ただの1人もいないんだよ』

ある日突然現れたその人たちは

私たちの夢も希望も、すべてを奪って行った

家族も、友達も仲間も

親友も

許さない

海賊は悪、海軍も悪

誰にも知られたくない

私の忌々しい過去

もう壊させたりなんてしない

「あ、ティラ!!」

「どこ行ってたんだよォ」

「心配したんだからな？」

この幸せを

『ちょっと散歩』

誰にも奪わせたりなどしない

昔々ある島に

優しい男の子がいました

男の子は強くなろうとする男の子の親友でした

“ボクも強くなる!!”

“2人で守ろうぜ!!”

“うん!!”

“アイツの笑顔を!!”

昔々ある島に

強く誰よりも勝つことにこだわる男の子がいました

男の子は優しい女の子の親友で、もう1人の男の子とはとても仲が良かったのです

“オレは、いつかあの海賊みたいになりたい。誰かを守って、絶対に勝つ!!!”

“私も!!”

“オレは誰にも負けない!! 誰からも逃げない!!! 仲間を守るために!! オレは、強くなる!!!!”

強さと勝利

優しさと愛

夢と希望

誰もが続くと思ったそんな夢

あなたは、そんな夢が壊れると思いましたか？