君と一緒に海へ3 (ページ14)

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ｺﾞｯｯｯｯｯｯｯ!!!

鈍すぎる音が響き、『ヒェッ…』と顔を引きつらせながらシスラくんを見ていると、この世のものとは思えないほど顔をしかめていた

「ダディアン…。女の子が苦手なのは重々承知してるけどさァ？
それでもさ、自己紹介してくれてる途中で隠れるって、どんだけ相手に失礼なのかわかってんのかなァ？」

「わ、わかってます…………」

頭を押さえながら、グリグリとさらに頭に拳を押し付けているシスラくんと、その痛みに耐えながらも答えるダディアンくん

『あ、あの…気にしてないからいいよ？』

「ダディアン」

「ごめんなさい…」

『あ、いいよ!! 私こそ、ダディアンくんが女の子苦手っていうの知らなかったから…ごめんね』

「え、何この人女神様？めっちゃ優しいんだけど？」

「わかったから、ちゃんと聞きなさい」

「あ、はい」

シスラくんが、「いいよ」と微笑んだ言ってくれたので改めて自己紹介をする

『ユナ・D・ティラと言います。歳はみんなと同じ10歳です。よろしくお願いします』

丁寧に頭を下げると、「よろしく…」と小さく言うダディアンくんに、『うん』と頷く

「ところで、なんでタンポポなんだ？」

「あァ、ダディアンの髪と目の色が黄色だし、名前的にタンポポみたいだろ？」

『あァ。ダンデライオン』

「そうそう。似てるからって、タンポポになったの」

「おれはあんまり嬉しくないけど、シスラが気に入ってるからよしとしてる」

『そうなんだ…』

「シスラとタンポポも、海賊になろうって約束してるんだ」

『え、そうなの？』

「うん」

「(ｺｸｯ」

どうしてみんなは海賊に憧れを抱くのだろう…

「おれたちの親は、この国のゴミ山で生活してたんだけどさ。病気で死んじゃって…」

「おれたちは赤ちゃんの時からずっと一緒だから、流れで一緒に暮らしてるんだ」

「そうなのか。でも、タンポポはなんで女の子が苦手なんだ？」

「え？」

抱えているルフィに聞かれたダディアンくんは、「えっと…」と困ったように言う

「おれさ、まだ小さかった頃にシスラと歩いてたら、ゴミ山に住んでる女の子に虐められてたんだ…
おれ、弱いしバカだし…騒ぐだけだから、シスラなんかと一緒にいるなって言われてさ…」