ヒーロー科と結界師3 (ページ46)

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限くんは静かに起き上がった

「力について考えたことは？」

『え？』

「力を振るうことをどう考える？力を振るう時何を思う？」

『？何言ってるの？』

捲し立てるようにして言う彼は、立ち上がって歩いていく

『あ、待ってよ!!』

「やっぱり、ぬるいよお前ら」

『……？』

限くんに言われ、考えながら次の授業に出ることにした

「おーし、授業始めるぞー」

「起立！」

(ぬるいってなんなんだろう…)

「礼！」

号令とともに頭を下げようとして、見たとき…

『ん？』

「着席！」

飯田くんの声を聞きながらも、相澤先生の肩に乗る“ソレ”を見る

何あれ…

『！』

「今日は新しいとこ入るぞ」

うわっ、みんな騒がないと思ったらあの猫、霊体じゃんか！

もしかして先生に取り憑いてる!?

「どうした、墨村」

『先生、今までに猫を飼ったことは？』

先生はそれに反応した後、くるりと背を向けた

「授業中は授業に関する質問のみにすべきだな。ちなみに俺は猫は好きだが飼っていない」

(猫好きなのか)

(黒猫だ…)

(んだ、あの猫)

チョークで書き進めていく相澤先生の頭を手で叩いたり、尻尾振ったり…

「じゃあ、次のところを」

くるっと振り向いた先生から振り落とされないようにつかまっている黒猫

あれは完全に先生に取り憑いてるなー…

烏森じゃなくてよかったけど、人に憑いてる霊引き剥がすのって厄介なんだよね…

かといって、成仏させるのはもっと厄介だし…

さて、どうするか…

授業も終わって、先生が廊下に出るのを慌てて追いかける

『相澤先生！』

「ん？」

『あ、あの…』

猫を引き剥がすには先生に対する執着を軽くしないといけないけど…その理由をどう聞き出したもんか…

『えっと、少し質問が…実は今度うちで猫を飼おうかと思ってんですよ！
で、実際どうなんですかね、猫を飼うっていうのは!?』

「だから俺は猫飼ってないと言ってるだろ…。だいたい何でそんな質問を俺にする…他に誰かいるだろ？」

『何言ってんですか！先生しかいませんよ!!
先生、猫好きって言ってましたしね!!』

「まあ、そうだけどお前が言うと胡散臭いな」