ヒーロー科と結界師2 (ページ27)

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14話雪村家の黒いものページ27

ーある日の休日ー

休みと言うことで、私は部屋で本を読んでいるとガラガラと引き戸が開くのに気づいた

良守はお菓子城製作のためにキッチンにいる

父さんか利守が帰ってきたのかなと、襖を開けて覗いてみれば

『え』

時音ちゃん？

すぐに良守を呼んで、時音ちゃんを出迎える

「なんだよ」

「あ…あの…おじさん…いる？」

「買い物行ってるけど？」

「じゃ、利守くんは？」

「友達の家、遊びに行ってるけど？」

と、時音ちゃんは180度回転して出ていこうとする

「オイ、待てよ！よくわかんねーけど、それって…じじいじゃ、ダメなのか…？」

「さすがにそれはちょっと…」

「じゃあ…俺たちは？」

と、時音ちゃんは悩み出した

「ていうか、何があったんだよ」

「それが…今、家に黒いものが出て…」

『黒いもの？』

「え!? お前ん家、何か取り憑いてんのか!?」

「そうよ…。黒くて丸くてテラテラ光って、カサカサと怪しく動くあいつが…あいつが！」

『もしかしてそれって…』

「ゴキ…」

「その名を呼ぶんじゃない!!」

『よ、良守ィ～～～～!!!』

「名前を呼んででできたりしたらどうすんのよ!?
あたし、そんなの耐えられない!!」

殴りつけられた良守を抱き上げると、「わ、我が人生悔いなし…」と力尽きていた

ーーーーー
ーーー
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「時音！こんな家に独りにしないで！時音ーーーー!!」

めちゃくちゃ叫んでんな、おばあさん

「はぅあっ!! ななななんでそんな小僧と小娘を連れてくるのです!!」

「他にいなくて…」

「くうーーーー!! こんな小僧と小娘の手を借りねばならぬとは…なんたる屈辱!!」

『何があった…』

ここまで騒ぐおばあさん、初めて見たんだが

「ごめん。いつもはお母さんが退治してるんだけど、今日はお友達と温泉旅行行ってて…」

『まぁ、そういうことなら仕方ないよね。おばあさん、玄関にも出られると困るので、私がここで一緒にいますね』

「お願いね、守香」

『うん』

着ていた上着をおばあさんの肩にかけ、良守たちを見送る