雷門の女神2 (ページ39)

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影山は1年前のフットボールフロンティア以降、その罪のために服役していた

サッカー会へ復帰する道は完全に絶たれたと、誰もが思った

ところが、今年のフットボールフロンティア予選大会が始まる直前、帝国イレブンの前に姿を現した

《刑務所に入ったはずの影山が、今更どうして》

電話の相手はかつての仲間である、雷門夏未だった

『影山は政府の考案する“アレス更生プログラム”の実験対象に志願したらしい
その結果、短期間に刑期を終え帝国の監督に再就任したらしい』

《そんなことが許されるの？》

『現状、それが許されているのであるなら難しいだろう…
奴は帝国を勝たせるために帰ってきたはずだ。
再び帝国をサッカー界に君臨させるために…』

《…無茶、しないでね》

『夏未に心配されるほど、私は脆くはないよ』

電話の向こうの声が、小さくなる

《とにかく、気をつけて。影山が何を仕掛けてくるのか、わからないわ》

『あぁ、そっちも気をつけろよ』

静かにしていた海風に、心配の声がかけられた

「海風さん！」

『…え？』

「大丈夫ですか？」

『え、あ、あぁ、すまない。ボーッとしていた』

「そうですか？」

『あぁ、話を続けてくれ』

つくしは、「はい」と頷くと画面上の資料のページを1枚繰った

「皇帝ペンギン2号、天才ゲームメーカー、影山零治」

３つのキーワードが書かれていた

「帝国学園は鬼道有人が抜けて、ゲームメーカーがいないはず
それでも強いのはなぜなんでしょう？」

奥入は冷静に疑問を挟む

『最近、帝国学園の練習試合は非公開だ
謎に包まれている』

「それに、奇妙なことがあるんだ」

『奇妙なこと？』

新情報を持ち出した万作の言葉に、いち早く海風が反応した

「帝国に負けたチームは、必ず調子を崩して連敗を重ねるようになってる…」

『………………』

「なんか呪われてるみたい…」

顎に手を当て何かを考え込む海風の姿に、「どうかしましたか？」と趙監督が声をかけた

『煮詰まっても考えがまとまらないな』

海風はそう言うと、パーカーを掴んだ