雷門の女神2 (ページ19)

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そこで前半終了の笛が鳴った

ベンチに戻った木戸川清修イレブンは、豪炎寺を中心に活発に意見を交わしている

対する星章学園は、覇気もなくバラバラに座り込んでいた

灰崎はキーパーグローブを海風に投げつけた

パシッと顔面の横スレスレで受け止めた海風は、チラリと自分の手の中にあるグローブを見た

「何を考えてやがる、鬼道!!」

灰崎は鬼道の胸ぐらを掴み、ねじり上げた

「このまま負ける気か!!
今すぐ俺をフォワードに戻せ!!」

「負ける気は無い。お前をフォワードに戻す気もな」

「ふざけんな！俺はこんなところで負けるわけにはいかないんだ!!」

灰崎の手に一層力が入った

鬼道はそれを振り払った

「俺は勝つための手順を踏んでいる」

「あ？」

それまで静かに立っていた海風が、静かに歩き出した

「う、海風さん？」

『……』

音無が声をかけるも、彼女の表情は帽子に隠れてよく見えない

だが、オーラが怒りを表していた

「お前をなぜそこに置いているか…。それが分からなければ、お前がフォワードに戻っても豪炎寺には勝てない」

「は？あんな奴に負けねえよ!!」

そう怒鳴った途端、灰崎の右頬に一発の拳が入った

「「！」」

「…海風」

殴られた灰崎は、ドサッと地面に倒れ殴られた頬を抑えながら「何しやがる!!」と海風を睨んだ

だが、帽子の奥から見えた赤く滾った瞳が、灰崎の瞳を逃さなかった

『豪炎寺をなめるな!!!』

怒ることがない彼女が、声を荒げた

灰崎は、目を大きく見開き体をすくめた

『たとえお前の力が豪炎寺を越えることができたとしても、豪炎寺が作り出したチームプレイは強力だ
お前個人と木戸川清修全員との戦いとなり、星章はシュートする打たせてもらえないだろうな』

「御託はいい!!
お前も、鬼道に賛成なんだか知らねぇが俺をフォワードに戻せばすぐに逆転してやるよ!!」

そう怒鳴る灰崎に、『まだわかっていないのか』と冷たく見下す目を向ける

灰崎はその瞳ゾクリとした

『フィールドの悪魔が、聞いて呆れるな』