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10話 女神の事情 ページ1

・星章学園・









星章学園は、進学とスポーツの両立を掲げる名門校だ




メイン校舎に取り付けられたモニュメントに見守られ、生徒たちは規律ある学園生活を送っている







教室に始業のベルが響く









「起立」









号令に合わせて生徒たちは一斉に立ち上がり、姿勢を正した






その中で、1人だけ頬杖をついて外を眺めている少年がいた



灰崎凌兵だ






灰崎は視線を教室に戻すと、気だるそうに腰を上げて、放課後の活気をよそに1人で校門へと歩いた









そこへ、誰かが声をかけた









「どこへ行く、灰崎?」









サッカー部の先輩、白鳥と折緒だった









「練習が始まるぞ」

「悪いが俺はパスだ」

「明日に向けての調整がいる。勝手は許さんぞ」

「次の試合に俺がいなくても、どうってことねえよ」

「お前のせいで連携プランを組み立てられない。みんな迷惑してるんだ」

「俺はお前らと連携しなくても点を取れる。時間の無駄だ」









灰崎は2人の横を通り過ぎようとした




すると、行く手を塞ぐように、キャプテンの水神谷が立っていた









「灰崎……なぜお前はわざと孤立する?」

「わざと?」

「お前は相手の実力が低いと見ると、必ずチームの反感を買うようないい加減なプレイをする。なぜだ?」

「変な言いがかりはやめてくれ
調子のいい時と悪い時くらいあってもいいだろ?」









灰崎の態度に業を煮やした水神谷が、一歩踏み込んだ









「本当にそうか?」

「何が言いたい?」

「お前は何のためにサッカーをしている?」









すると灰崎は、バカな質問だとでも言うようにニヤッと笑った









「サッカーが好きだから……ってとこかなあ。ふふっ」









思わず言葉を失った水神谷たちを置いて、灰崎は立ち去った









校門を出た灰崎の肩口にドンッと軽く何かが当たる









「おい…。!」

『あ、あぁ、すまない…。あまり前を見て……、灰崎じゃないか』

「海風亜真音…」

『どうした、こんなところに…。部活は』

「調子が悪いから帰るんだよ。お前こそ、なぜここにいる」

『あ、あぁ…。鬼道に届け物をした帰りだったんだ
なんなら、星章学園のサッカー部を覗こうと思ったんだが…』

「敵情視察か?」

『そう言われると思って、やめておいたんだ』

10-2→



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年9月18日 0時

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