現海賊は現在ヒーロー科 (ページ17)

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「レン」

『ギャァアアアアアア!!!?』

背後から低音ボイスが聞こえて、勝己くんの電話を切ってしまった

あ、爆破される

急いで謝罪のメールを入れれば、「死ね」と短文で送られてきた

あ、そこまで怒ってないパターン

「帰るの早え」

『いや、私待たせてる人いるから…それに、電車通学だし』

「そうか…。じゃあ、また明日からよろしくな」

柔らかく微笑んだ焦凍に、『うん』と頷いて別れた

明日からまた波乱万丈すぎる人生の幕開けか

ニュース・クーからの新聞もなく、連絡も無く、電伝虫の復活も遂げられず

『もォさァ、さっさと帰らしてくれたっていいと思うゥ』

「キメェ声だしてんじゃねぇ、クソが」

『クソクソ言ってると、そのうちクソになるよ』

「勉強すんのかしねぇんか、どっちだ!!!」

『も～～～～。うるさいよ～～～～』

勝己くんの怒鳴り声を聞き流しながら、ゆっくりと問題を解き進める

一応言えば、あれからまたすぐに時が経った

今は中学2年生で、受験勉強に本腰入れろとお達しをしてきた勝己くんに習い、毎日学校から帰ってきては2人で勉強をしている

けど、コツさえ掴めば私も勝己くんも解くの速いもんだから、いつの間にか2人で突っ走ってんだよね

つまり、1人で勉強しようが、2人で勉強をしようがどのみち同じってことである

これぞ、合理的すぎること

「てめェ、模試の結果見たんか？」

『とりあえず、合格圏内。推薦もらってもおかしくないって担任に言われたよ』

「当たり前だわ」

鼻で笑う勝己くんだが、なぜお前が誇らしい顔をする

「推薦もらうんか？」

『さァねェ…どっちにしろ、雄英には行くべきかなァと』

「わけわからんわ。さっさとやれ」

『へいへい』

カリカリとペンを進めながら勝己くんをちらりと見る

薄い金色の髪に、真っ赤に燃える赤い瞳、男の子のくせに長いまつ毛で問題を見据える

どこからどう見ても美少年

「あ？何見とんだ、あぁ？」

『いいえ』

それらを全部言動で潰してんだよね、この人

そうだな

ゾロはいかつい見た目だから口も悪い

あれ、誰もいないんじゃない？

『その言動で信頼落とすよ』

「落とさねぇわ!!! 上げ殺したるわ!!!」

『いや、だからそれ』