現海賊は現在ヒーロー科 (ページ12)

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「今日からみんなの担任の」

担任の先生が何か言っているのを右から左へと聞き流しながら、窓の外を見る

空が真っ青で、白い雲が浮かんでいる

自由に空を飛ぶ鳥たちに、『いいなァ』とこぼす

「じゃあ、自己紹介をしていこう」

先生の声で気がつき、前を向けば名前の順に自己紹介が始まっていた

いや、もうちょっとじゃない

「じゃあ、海波さん」

『はーい』

ガタッと立ち上がれば、みんなの視線は自然と私の方を向く

『海波レンです。趣味は読書と情報集め、よろしく』

自己紹介をすれば、普通ならよろしく～とかいろんな声をかけてくれるけど、なぜかどスベりしたように静かだった

うん、順調すぎる滑り出しとは言えないね

それからは平凡すぎる日々を過ごし、1年生という階級も無事に終わらせた

「レン!!!」

『どうしたの、かつきくん』

「お前、いつまで寝てんだよ。次は音楽の時間だぞ」

『ああ…寝てた』

「当たり前だわ!!!」

教科書を持ち、眠い目をこすりながら教室を出る

あ、ちなみに今は4年生

「ねぇ」

「あ？」

『ん？』

「海波レンって、アンタ？」

「誰だこいつら」

気の強そうな上級生たちが私を睨みつけてきた

『海波レンは、私ですけど』

「お、おい」

「ちょっといいかな？」

まァ、ついていくか

「レン!!」

『教科書持って行っといて』

かつきくんに半ば強引に教科書を押し付け、後をついていくと、校舎裏に連れていかれた

なんともまァ

「あんた、勝己くんと仲良くしすぎなのよ」

「そうよ」

「あんたみたいなのが一緒にいるなんて、勝己くんが不憫だわ」

などと、寄ってたかってなんか言ってる上級生たち

「ちょっと、聞いてんの!?」

胸倉を掴まれ、はァ、と大きめのため息を吐いた

『あの、もういいですか？』

「はぁ!!?」

「何様のつもり!!?」

「下の学年が粋がってんじゃない!!!」

ダン！と壁に打ち付けられた

どの世界の人間も、乱暴なんだなァ

「お前らなにやってんの？」

「「!!!?」」