4-3 ページ22
ダフトグリーンとは奇妙な植物だった
樹高は数メートルほどだが、幹はとても太くそれが先細りになっていき、先は申し訳ない程度の葉が茂っている
「これか…」
「うん」
「鼻栓してても臭ってくるぞ……!?」
「ああ…確かに、少し臭ェな」
「おせェよ!!?」
クンクンと臭いを嗅いだゾロに「人体に悪影響なんじゃないの？」と疑わしい顔で見るナミの足元で、シャオがゾロを見上げる
「あまり吸い込まない方がいいよ。毒だから」
「早く言え!!?」
間近で臭いを嗅いだゾロがシャオに突っ込んだ
ダフトグリーンを抜けて、ようやく村に辿り着いた一行は、シャオの家まで向かうことにした
シャオの家には母親と祖母の2人がおり、笑顔で家に帰ったシャオに、母親は平手打ちをした
「あれほどダフトグリーンの外には出ちゃいけないって言ったじゃないか！」
「だって……！どうしても、おばあちゃんを助けたかったから……!!」
シャオは目を潤ませて手にした花を見せた
それを見た母親は、ハッとした表情になる
「シャオ…私のために危険なマネはしないどくれ…」
「………？」
向こうの部屋で寝ていたはずの祖母が、弱々しい声をあげる。ひどく衰弱しているのを見たチョッパーは、祖母の額にある緑のあざに気付く
「だって……!! そのままじゃ、おばあちゃんが…!!!」
とうとう泣き出してしまったシャオを見て、母親はグッと堪えて「あんたたち」とシャオを送ってきたナミたちに向き直る
「助けてくれてありがとう。なにか、お礼をしたいんだけど…」
「たまたま通りがかっただけだ」
「そうだよ」
「えぇ。こっちこそ、道を教えてもらって助かったのよ」
「そうかい…」
「それより、その病気は？」
チョッパーは祖母の額にあるアザが気になり聞いた
「“ダフト”という病気でね。緑色のアザのところが硬直していって、動かなくなる病気さ
ダフトグリーンが放つ粒子を大量に吸い込んだりするとなっちまう病気だよ…唯一治せる薬は、IQっていう植物から作られるんだけど…一輪だけじゃね」
「それであんなところにひとりで…」
しおれた花を見て母親が項垂れる姿に、チョッパーは自分も同じ気持ちをしたことがあったのを思い出した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年8月10日 12時
