4話 村 ページ20
「まァ、いい…とにかく早くここを抜けよう。もう何日も雪の中で、うんざりしてたんだ」
「“冬ゾーン”は半日もあれば抜けられるはずだよ」
「「え!?」」
「あっちだよ」
少女が指差した方向には、雪がまばらに残る小高い山が見えた
その下を流れる川沿いに行けば村があるという
「この1週間…ゾロの言う通りに進んできたよな」
「た、たまたまだ」
「助けてくれてありがとう！私、シャオ！」
「私はナミ」
「ゾロだ」
「トニー・トニー・チョッパーだ」
「ゴ…ゴリラが喋った…」
「気絶すんなー!?」
チョッパーたちがシャオと出会った頃…サンジとウソップは…
カウボールに追われて空から落ちた2人は小舟に横たわっていた
痛む体をさすりながら顔を上げ、辺りを見渡した
舟は岸にあげられており、隣ではウソップが白目を剥いて気絶していた
見上げれば、先ほどまでいた春島らしき岩塊が浮かんでおり、どうやら崩れた崖ごとこの大きな島の湖に落ちたようだ
「こんなところに人が住んでたのか…!?」
意識を取り戻したウソップが小さく驚く
自給自足の小さな村には、女と老人、子どもばかりが目につく。そのことが違和感としてサンジの心に引っかかった
「気がついたか、ウソップ」
「あ、あぁ…」
「この村……若い娘がいねェ」
「そこかよ!!!」
ウソップが呆れたところでひとりの中年女性が2人に歩み寄ってきた
「目ェ覚めたかい？驚いたよ…空から突然降ってくるから。よく助かったもんだ。どこからどう流れ着いたか知らないけど、これ飲んだらとっとと出ていった方が身のためだよ」
「ありがとう、マダム」
2人に温かい飲み物の入ったカップを渡した女にサンジが礼を言うと、女は笑いながら「いやだよ、マダムなんて」と言う
「その腕の羽根は？」
「これかい？なんだろうね…ここの人間には、なぜかみんなにあるんだよ」
女の腕にある羽根にサンジは目がついた
羽根といっても翼になっているわけでもなく、もちろん人が空を飛べるわけでもなかった
だが、青子から翼を持つヒーローはいるし、影で空を飛ぶ奴もいること、手のひらで爆破を起こして浮いたり、自分を無重力にして飛んだり、テープを使って移動したりと幅広い使い方をするというヒーローがいることを聞いた一味はそれはそれは驚いたものだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年8月10日 12時
