元殺し屋はヒーローから海賊へ【STRONG WORLD】 (ページ17)

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2話進化ページ17

バチバチと電撃が3人を襲う

「「ギャーーーー！」」

感電した3人は地面にぶっ倒れた

「こんちきしょうが！」

『ちょっと！』

怒ったシキが電撃を放った鳥を乱暴にぶん投げ、地面を転がる鳥の元に駆け寄る

「…進化って今のが？」

「はい。電撃技に特化したタイプでして…」

『進化って、なに？』

「んん…？あァ、そうか。ベィビ〜ちゃんは知らなかったな」

シキは顎髭を撫でると語りはじめた

かつてメルヴィユ群島が海の上にあった時から、ここには独特な進化を遂げた動物が棲みついていた

動物たちは危険な力を持っていたが、見かけによらず習性は温厚なものがほとんどだったらしい

オリジナリティにあふれた進化の原因、それは島の固有種であるとある植物によるものだと

「我々はそれをIQと名づけた。その植物を摂取すると、動物の脳…特に、防衛をつかさどる部分に作用し、環境に応じた進化を促す」

『IQ…？』

「この島に住みつき20年…!! 我々はIQの研究と実験を積み重ね、新たな薬を発明したのだ！」

『薬…？』

眉根を寄せて、嫌悪感を出す

「その名もSIQ！この薬を動物に撃ち込むと、より戦闘的な進化を遂げる！大量に投与すれば、さらに凶暴性を増すことも…！
この島…このメルヴィユ群島には、そうした動物たちがうじゃうじゃいるのだ!!」

『なんのため、そんな…動物を使うなんて…!!』

撃ち込まれた動物たちがとてもかわいそうに思う
どうしたってそんなことができるんだ、どいつもこいつも

「いずれわかるさ。仲間になればな」

『だから、そんなこと絶対に』

「なる！」

『！』

「おめェはどうしたって、自分からおれの戦闘員になりてェと懇願するようになるんだ。そうしたら全て教えてやるさ…計画はもう始まってるんだ
今は無理でも、仲間なら聞いてやれる頼みってものがあるだろう？ジハハハハハ！」

まるでその言い方が、私の未来はおれの掌にあるとでも言いたげな言葉だった
その態度が不愉快で極まりない

たとえどんな未来でも、捻じ曲げて見せると言った私のヒーローを思い出す

シキの、腹の底が全くわからない

またなにかコントらしきことをしているのを無視して、また窓の方に歩く

(あれから1週間経つのに、誰も来ないのは、その薬で進化した動物のせい、か…)

会いたいよ、ルフィ…