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青子side
『ブハッ！はぁっ…はぁっ』
水面から顔を出し、アッシュはゲホゲホと激しく咳をしている
そんなアッシュを抱え直し『もうちょっとだから、頑張れ』と励ますと、「…見返りとしてキスさせろよ…」と言う。元気があって大変よろしいことだ
『緑谷、そっち大丈夫？』
「多分…なんとかね」
川岸に泳ぎ着いた私たちは、草むらに身を隠しながらなんとか息を整えた
驚くほどに鉄橋から川岸まで距離があって息が続かないかと思ったけど、なんとかなってよかった
気絶していた少年が大の字になってピューと水を吐いているのを見た後、ポーチの中に仕舞い込んでいたスマホを取り出し、電話アプリを起動させ草むらから様子を伺いながら電話をかけた
焦凍side
青子からの着信を待っていると、読んでいたかのようにスマホが震えた
画面を見ると、「青子」と表示されている
「青子からだ。…青子、犯人とケースは…」
青子からの電話に出ると、青子は少し焦ったように《警察にいきなり襲われた！》と言葉を発した
俺は耳を疑い「!? お前、何やった？」と聞き返せば《私がわかるわけないでしょ!?》と焦りと怒りが混じった声が返ってきた
《事情も話さずにいきなり私たちを撃ってきて…慌てて逃げたら、今度は敵みたいなヤツに攻撃受けて…》
「落ち着け、起きたことを順番に話せ」
いつも冷静なくせにこう言う時にパニックになるのは、青子らしくもないけど本当にいきなりだったんだろう
大抵のことはいつも何とかしているくせに、こういうことには弱いんだ
《えっと、ケースを持って逃げた子を緑谷と追いかけて…捕まえたはいいけどその子が持ってたケースの中身に宝石が入ってなくて…》
青子の説明を静かに聞いていると、「エンデヴァー！大変よ！デクたちが！」とクレアが飛び込んできた
俺たちはクレアに連れて行かれた会議室のモニターを見て言葉を失った
緊急ニュース番組が映っている。それは別にいい…けど、その中身が
《情報提供を呼びかけています。繰り返しお伝えします
警察の発表によると、死者12名を出した殺人事件の犯人は、日本から来たヒーロー・デク、ヒーロー・レモント。本名、イズク・ミドリヤ。青子・夜神月と断定
全国に指名手配しました。なお、容疑者には共犯者が2名いるとの情報もあり…》
青子と緑谷のアッシュ顔写真が大きく映し出された指名手配のニュースだった
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年8月5日 17時
