元殺し屋はヒーローになる20 (ページ26)

今日:1 hit、昨日:23 hit、合計:23,798 hit

145-4 ページ26

ライアンに投げ飛ばされたロレイは、トンッと軽く飛び降り地面に着地した
「ん〜100点満点！シシシ！」と自分の着地に点数をつけた後、あたりをキョロキョロとした

だが、ふと影が刺した

「ん？…うげっ!!?」

瓦礫が次々と自分の頭上に落っこちてきたのだ

「どわあああ！ちょ！待って！」

「うわあああ！ちょっ！ライアンさん!?」

上にいるであろうライアンに文句を言いながら瓦礫を大慌てで避けるロレイと、別のケースを持った少年が、ドンッとぶつかった

「「ひぎゃっ！」」

ロレイは腰を、少年は頭をぶつけさせ、互いにその場にうずくまった
少年の手にあったケースはゴロゴロと地面を滑り落ち砂煙の中に消えていく

「事故？」

『緑谷、あそこ！』

ケースを持った少年を探していた緑谷と青子は、先程の衝突音で事故に気付いた
黒煙が青空に舞い上り、事故の大きさに息を飲むと「緑谷！青子！」と氷結で事故現場の方へ向かう轟がいた

「あっちは俺に任せろ！」

「お願い！」

『わかった！』

跳躍した緑谷とともに、フリーランニングで移動しスピードに乗った青子は、青い瞳を素早く動かし少年を探し始めた

「Pi Pi Pi！」

「だ…大丈夫…」

心配するように鳴く小鳥に体を起こした少年は、近くにうずくまり「うぅ…ひどいっすよ、ライアンさん〜」とべそべそしている獣耳のロレイを一瞥すると、手に何も持っていないことに気付いた

慌てて周囲を回すと、ケースを見つけてホッとしすぐに拾って離れる

「時間に遅れちまう！」

「うぅ…ケース、ケースどこなんスかぁ…」

ずりずりと地面に転がるロレイは、ゴツンと自分の体に当たった何かに顔をあげる
そこには、灰色のケースがあり「ケース発見!!!」と大きな声で叫び、ケースを拾い上げてルンタッタルンタッタとリズミカルにスキップし、ふにゃりと笑ってその場を離れた

青子side

『緑谷！見つけた！地下鉄の出入り口!!』

「！」

事故現場の近くにケースを持って走っている少年を見つけた
私たちに気づいた彼は、顔を曇らせてすぐに地下鉄の入り口へと入っていく

「待て！」

(この方向で行くと…どちらかの…いや、確かこの駅は…)

地上に降りた緑谷のあとを追いかけながら、このオセオン国の地下鉄の地図を頭の中に思い浮かべた