元殺し屋はヒーローになる20 (ページ21)

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NOside

宝石店の騒ぎの中、少年はホットドッグを食べていた
近くで騒ぎがあるのは耳にしていたが、どうせ喧嘩だろうということで片付けようとしていた中

「轟くんと青子さんは犯人を！」

「任せろ!!」

『わかった！』

ただその会話が聞こえてきた途端、少年は食べていたホットドッグを取りこぼした
青空にも負けないあの自信のある瞳、光り輝く笑み、そして何よりも…あの小さな手で自分を守ってくれた大好きな人がいた

会えることはないと思っていた

『焦凍!!』

「あぁ!!」

建物の壁を横滑りしていくヒーロー2人に「待っ…！」と声をかけようとしても、スピードに乗って敵を追いかけていった2人には到底追いつかない

「青子…青子！」

一緒にいたはずの男の存在など忘れて走り出した少年に、「子ども…!?」と近くにいた緑谷が2人を追いかけていくのが見えた

「アッシュ、コーラを…アッシュ？」

飲み物を買いに出ていた男が戻ってくると、地面に落とされたホットドッグしかなかった

その頃、路地に逃げ込んだ敵をしつこく追っている爆豪がいた

そんな爆豪に、自身のアフロヘアを大量に引き抜き投げつけると、狭い裏路地でアフロヘアが爆竹のように爆発した

「へへ…ザマァねえぜ」

アフロが命中したとニヤリと笑みを浮かべた敵に、上空から爆破の音が聞こえてきた

「しょぼい爆発だな!! 本物見せてやるよ!!!」

そう言って間近で爆破をお見舞いした爆豪は、無慈悲であると同時に、敵を気絶させてしまった

「チッ…」

終わったことを不本意ながらに青子に連絡しようとすると、「ちょっと！」と慌てて駆け込んできた男に反応した爆豪だが、両肩を掴まれて「お、おい！」と焦った声を出すと、「男の子を見なかったかい!?」という声に爆豪は「男の子だぁ？」と眉を寄せた

「んなもん見てねぇわ」

「身長はこのぐらいで、金髪でグリーンアイの瞳の…アッシュという子なんだ！」

「！」

“名前をアッシュって言ってね。金髪のグリーンアイの男の子なんだ”

オセオンへ向かう飛行機の中で青子が言っていたことを思い出した爆豪は、「チッ!!」と舌打ちをし、急いで青子のスマホに着信を入れた